今季を象徴していたプレーオフ決勝・福岡戦


2015年のセレッソが凝縮されていたラストマッチ・福岡戦。この悔しさを無駄にしたくない。

--J1昇格プレーオフでは、準決勝の愛媛 とはスコアレスドロー、決勝は今季3度目の対戦となった福岡 と。今回も勝てませんでした…。
和田「今年のセレッソを象徴していましたね」
小田「でも、これが現実ですからね…」
和田「シーズン初めのわだかまり感が最後まで響いた感じはします。最初と最後は全然違うチームだったけど、今年セレッソはうまく乗り切れなかったかなと」
小田尚史 記者
小田「決勝はもったいなかったですね。リードしているのにカウンター食らったじゃないですか…あれは87分でリードしているチームのやるサッカーじゃない。あそこでもうちょっとうまく時間が使えたら…という悔いは、あの試合に関しては残ります。いい試合をしていたのに…すばらしいゴールでしたからね、玉さんのゴールは。たらればですけど、ハシさん(橋本英郎)の交代はもっと引っ張ってもよかったかなとか」
和田「大熊清監督は3試合限定の指揮、対する福岡は1年間やってきたなかで、勝つときはこうする、守るときはこうするというのがチームに植えつけられていました。その違いだったかなと」
前田「そうなんですよね」

和田りつ子 記者
和田「選手も、監督がこういうときに何を考えているのかがわかるんだと思うんです。こう投入してきたら、今は攻めるんやなとか守るんやなとか。その点で、セレッソは時間がちょっと足りなかったのかも」
小田「練習ではやっていたんですけどね、いろいろな状況を想定して。でも、試合では違うんですよね。1点を守りきるというのもやってはいたんたけど…」
和田「チームとしての成熟度というところですね。1年で3つのチームがあった というところで、チームとして何をしたらいいのかという決めごとが、パウロ・アウトゥオリ前監督の下でもあったはずなのに、わからなくなってしまった」
前田「決勝の最後のやられ方は、今年を象徴していましたね。あの時間帯の失点で負けたり勝てなかったりということが明らかにに多かった。それは、話し合って追究していくべきだと…ここのところに凝縮されていると思います」
小田「2点目が取れなかったこともそうですね」
前田「福岡が攻め上がってきたときに、セレッソはどう攻めたらよかったのか、裏に走れる選手がいるべきなのか、高さを使うのか、追いつかれたときにあそこまでパワープレーにこだわるべきだったのか、とか」

J1昇格プレーオフ決勝では鮮やかな先制ゴールを決めた玉田圭司選手。試合後の悔し涙は、あまりにも切なすぎた。

小田「こぼれ球を狙える選手がいてもよかったかなと。玉さんは、最後ものすごく悔しそうな顔をしていましたけど、ゴール前でガチャガチャッとなった時に、ごっつぁんで決められるのは自分だ、自分がいればっていう思いがあったみたいです」
前田「フリーキック1本で何とかできた場面もあったかもしれないですしね」

前田敏勝 記者
和田「プレーオフのときの玉さんのボールの軌道は全てすばらしかった」
小田「確かに!」
和田「最終節・東京V戦のモニさんのアシストになったキックぐらいから神がかっていました」
小田「シーズンの流れとしては仕方なかったですけど、あの決勝は勝てたなと。そこが悔しいですね」
前田「そういうところの後悔はあるんですけど、力を出し切ったというのは救いだったかな思います。ラスト3試合に関しては。だから、何人かの選手が試合後に『悔しいけれど、やれることは出し切った』と言っていたのは、うなずけますね」

Vol.7に続く 
バックナンバー

【出席いただいた皆さん】
前田敏勝さん(左)
Jリーグ公認ファンサイト「J’sGOAL」セレッソ大阪担当。セレッソのオフィシャルメディアや雑誌、WEBなどで広くサッカーライターとして活躍中。
和田りつ子さん(中)
元女子1級審判で、スカパー!の中継レポーターの経験も豊富。サッカーの見識、愛情ともに深い“おしゃべり屋さん”。セレッソ大阪堺レディース、ガールズも取材。
小田尚史さん(右)
『エルゴラッソ』のセレッソ大阪担当として、ホーム、アウェイの試合、トレーニングと広く深く取材を続けている。熱い記事が持ち味の気鋭のライター。
進行・まとめ
横井素子(まいど!セレッソ~マイセレ~編集担当)

2015年12月15日実施