悔しいけれど、来季につながるものは残った

和田「ラスト3試合があったから『来年はもっといいところにいけるかも』と思えました。この悔しさを知らないと、また来年同じことをしてしまうかもしれない。そう考えると、この悔しい気持ちを持った人が来年も残ってほしいなと思います」
小田「この悔しさを絶対につなげなきゃダメですよね」
和田「プレーオフでの悔しさは、次の年に返さないといけない。気持ちが熱いうちに。磐田が昨年悔しい思いをして、だから絶対に今年は上がるんだという気持ちで戦ったように、セレッソの皆さんにもお願いしたいです」
前田「昨年のこの時期は、それさえなかったんですよ。次につなげられるものさえなくて」
--そういう意味では、悔しいけれど得るものがあったと?
前田「ありましたね」
和田「だから、絶対に来年上がらないといけないと思います」
小田「チームもクラブもサポーターの皆さんも含めて、いい経験をできたかなと。試合に持っていくまでのことも含めて」
和田「2試合、ホームでJ1昇格プレーオフができた経験もそうですね」


舞洲・ヤンマーグラウンドには、サポーターの手で「WE ARE CEREZO」の横断幕が掲げられた(写真はプレーオフ決勝前日の様子)。

--プレーオフ前の舞洲グラウンドの雰囲気も含めて、すばらしかったです。
和田「そうですね。サポーターの皆さんの横断幕とか、寄せ書きとか」
小田「あのテンションを42試合持ち続けるのは難しいと思いますけど、そうすれば絶対行ける。その経験を今年できたということで、次につながると思います」
前田「そういった意味で、(キム)ジンヒョンのケガがあって急きょ加入した北野(貴之)さんの存在は大きかったですね」
和田「ポジティブシンキングですね」
小田「大きかったですね。あの方はすごいです」
和田「ああいう方はチームに必要ですよね。サブに入る選手の重要性を感じましたね」
小田「若手とかをすごく盛り上げていましたね。チームでやろう!みたいな」
前田「今年はケガの選手が多くて、サブの選手の練習試合であまり結果が残せなかったんです。雰囲気もなかなか上がらなかった。いい年は、出られなかった選手も盛り上げる雰囲気になるんですが、今年はルーキーの選手ばかりになって、気持ちの持っていきようが難しかったですね」
小田「GK陣がみんなすばらしかったです。出られなくなってもジンヒョンを支えたり、ベンチにユニフォームを並べたりね」
和田「丹野(研太)選手が頑張ってくれました。プレーオフ決勝で玉田選手がゴールして、丹野選手のところに走っていきました。GKはみんな、J2でしんどい経験をしてきた選手ばかりでした」


プレーオフでは、ベンチ外の選手のユニフォームも“参戦”。チームがひとつになった証だった。

--最後の福岡戦の前日、舞洲を出発するチームバスをベンチ外の選手全員で見送っていたのも感動的でした。
小田「あれは初めてですね。みんな出てきましたね」
和田「いつもそれぐらいの気持ちでやってほしいですね」
前田「昇格した大宮、磐田、福岡にあってセレッソになかったものが、そういう一体感だったのかもしれません。最後はひとつになりましたけど」

vol.8に続く 
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【出席いただいた皆さん】
前田敏勝さん(左)
Jリーグ公認ファンサイト「J’sGOAL」セレッソ大阪担当。セレッソのオフィシャルメディアや雑誌、WEBなどで広くサッカーライターとして活躍中。
和田りつ子さん(中)
元女子1級審判で、スカパー!の中継レポーターの経験も豊富。サッカーの見識、愛情ともに深い“おしゃべり屋さん”。セレッソ大阪堺レディース、ガールズも取材。
小田尚史さん(右)
『エルゴラッソ』のセレッソ大阪担当として、ホーム、アウェイの試合、トレーニングと広く深く取材を続けている。熱い記事が持ち味の気鋭のライター。
進行・まとめ
横井素子(まいど!セレッソ~マイセレ~編集担当)

2015年12月15日実施