「まいど!セレッソ」のオフ企画第2弾は、選手別の2015年レビュー!
セレッソ番の3記者が、今季の活躍ぶりや、日々の取材の中で印象的だったことなどを、選手ごとに振り返ります。ピックアップは15選手です。


キム ジンヒョンの2015年

 韓国代表の正守護神として臨んだ1月のアジアカップで準優勝に貢献。そこから始まった2015シーズン、7年目となるセレッソでは、「責任感を持って、初心に戻ってやっていきたい」と、覚悟を持って臨んでいた。しかし、韓国代表での離脱や第25節・ファジアーノ岡山戦 での負傷の影響もあって、出場はリーグ戦24試合、J1昇格プレーオフ2試合に留まることに。また、J2ではボールを保持する時間が長いチームの戦いのなかで、一瞬の隙から生まれたピンチへの対応に苦慮。手の施しようのないシュートを決められることも少なくなく、決して本領を発揮できたとは言えないだろう。
 それでも、今季絶望かと思われていたケガから、驚異的な回復力と激しいリハビリでの努力を経て、終盤の大事な時期に復帰。チーム愛、サポーターへの真摯な想いは強く、自陣ゴール前での存在感は抜群。やはりセレッソになくてはならない絶対的守護神であることには変わりないというのも、プレーオフでの奮闘などをみても改めて痛感させられたことだ。
 

 ライターからひとこと

 成長も留まることを知らず、成熟度も増してきているジンヒョン選手。夏場の負傷時には悔しい思いもしていたのですが、それでも、チームメイトらの励まし、激励の横断幕を作ってくれたりしたサポーターの応援には相当勇気づけられたようです。実は先発する可能性もあった第39節・ロアッソ熊本戦 (14試合ぶりにベンチ入り)の前の週、練習後に「もし先発でピッチに立ったら、どんな想いになる?」という問いに、「キンチョウスタジアムでサポーターの声援を聞いたら、泣いちゃうだろうな…」という話もしていたのを強く覚えています。
 また、舞洲でもハードな練習後にもかかわらず、サポーター、メディアに真摯な対応を続けるなど、相変わらず人間性のすばらしさは彼の特長。着実に頼もしき「ヒョン」(兄貴)になってきている、セレッソで育まれた名守護神です。

文・前田敏勝

マイセレ:キム ジンヒョン選手の記事一覧