「まいど!セレッソ」のオフ企画、選手別レビュー!
J1昇格を決めた2016年。選手にとってのこの1年を、日頃から取材を続けてきた番記者ならではの視点で振り返ります。


リカルド サントスの2016年

ブラジルだけでなく、北欧、中国など、豊富な国際経験を携えて、2016シーズンからセレッソの一員となったブラジリアン大型ストライカー、リカルド サントス。ブルーノ メネゲウ、ソウザとともに開幕戦からピッチに立つと、187cm80kgという体躯を生かして最前線で奮闘してきた。ただし、記録を見れば、J2リーグ戦では32試合出場5得点。第27節・横浜FC戦 以降は途中出場での出番となり、リーグ戦ラスト3試合、J1昇格プレーオフ2試合ではベンチからも外れるなど、リカルド自身はもちろん、期待された外国籍選手としてもストライカーとしても、決して納得できる数字とは言えない。
それでも、初めての日本のサッカーにとまどいつつ、チームオーダーに率先して取り組み、「死ぬ気でやります!」という言葉通り、練習でも試合でも常に全力を尽くして、攻守にわたって、チームのため、J1復帰のために戦ったことは間違いのないこと。また、彼の奪ったゴールはどれも記憶に残る、勝利を呼び込んだもの。第7節 では清水エスパルスの牙城をその左足でこじ開け、第17節V・ファーレン長崎戦 では負傷退場となった柿谷曜一朗と交代で出場して先制点をゲット。第20節・東京ヴェルディ戦 ではキンチョウスタジアムに歓喜をもたらすヘディング弾をねじこみ、第21節・ロアッソ熊本戦 ではチームにリズムをもたらす2ゴール。この5得点の価値は、決して小さくないはずだ。
2016年末に契約を更新。J2での経験と悔しさをバネに、日本になじんだリカルドがJ1の舞台で大暴れする。今の献身的な姿勢がある限り、彼の持つポテンシャルが桜のユニフォームでもっともっと花開く可能性は多分にある。

ライターからひとこと

2016シーズン加入のブラジル人トリオの中では、最もおとなしい性格とも言えるリカルド サントス選手。それでも、チームメイトとコミュニケーションを活発に取り、チームになじもうという意欲の高さは、普段から見て取れました。また、セレッソサポーターへの真摯な対応も、舞洲に来られてファンサービスを受けた方はご存じのことでしょう。独特のヘアスタイルについて話を聞くときには、いつも笑顔で答えてくれたことも印象的です。結果を残せたとは言えないかもしれませんが、まだまだJリーグでやれるポテンシャルは十分にある選手。J1の舞台でどう「化ける」のか、楽しみにしています。

文・前田敏勝

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