「まいど!セレッソ」のオフ企画、選手別レビュー!
J1昇格を決めた2016年。選手にとってのこの1年を、日頃から取材を続けてきた番記者ならではの視点で振り返ります。


清原翔平の2016年

JFL、J3、J2と着実に階段を昇り、2016シーズンから桜色の戦士の一員となった清原翔平。ただ、序盤戦はセレッソU-23のオーバーエイジ枠選手としてJ3でプレー。それでも、「チャンスをもらったときに、そのパワーを出せるように、毎回ずっと準備している」と言う真摯な姿勢で取り組みを続ける。J3開幕戦(グルージャ盛岡戦)でチームの初ゴールを決め、U-23のゲームキャプテンとしても若手を牽引。その活躍が目に止まり、J2第14節・横浜FC戦 でいよいよトップチームデビューを果たす(79分からの途中出場)と、翌第15節・ファジアーノ岡山戦 では先発し初得点も記録。その後も攻守にわたって献身的な働きを続け、レギュラーの座を揺るぎないものにしていき、ついには「キヨのような汗かき役がいるから、チームのつながりがよくなっている。今後も重要な存在になると思うし、クラブにとっても必要な選手だ」と大熊清監督に言わしめるような、チームに不可欠な存在になっていった。
そして、J1昇格プレーオフ決勝・岡山戦 、桜の18番はJ1復帰に導く価値ある決勝点を記録する大仕事をやってのけた。「ゴール自体は泥臭いし、ただ詰めるだけでしたが、そこを狙い続けるというところは1年間ずっとやってきたこと」。まさに清原らしいゴールで、セレッソの新たな歴史の1ページに名を刻んだ。自らの足でもぎとった、念願のJ1の舞台。桜のキヨは、2017年もタフに走り回り、セレッソに勝利を呼び込んでくれるはずだ。

ライターからひとこと

普段の清原選手は、誠実で優しさがあふれ、穏やかで独特な雰囲気を持っているのですが、いざピッチに入るとファイティングスピリットあふれるプレーも発揮。小柄ながらヘディングも強いのですが、果敢に飛び込むがゆえに、シーズン中も何度か顔などを負傷することもありました。それでも、本人は気丈に振るまうなど、身体的なタフさも、彼の特長の1つ。その清原選手が1歩ずつ着実に積み上げて、29歳にしてつかんだ初のJ1の舞台。桜色の戦士としてのさらなる活躍を願わずにはいられません。

文・前田敏勝

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