◆出席いただいた3記者profile
◆2016番記者座談会
MVPは全員一致で杉本健勇選手に！
--では、2016年シーズンのMVPを上げていただけますか？小田 年間を通しての働き、数字を残したという点で、杉本健勇選手とソウザ選手です。特にチーム得点王の杉本選手、彼なくして昇格は成しえなかったかなと思います。プレーだけでなく、練習後の囲み取材でのコメントもシーズン半ばからとても安定していました。日々違う記者が来て、同じ質問をされると「昨日も話したのに…」となりがちなのに、連日同じことをきちんと話していました。
和田 心身ともに安定して、しっかりされていましたね。
小田 自覚というか、自分が引っ張らないといけないという思いでしょうね。柿谷曜一朗選手が離脱した影響もあったと思うんですけど、ピッチ内外でチームを引っ張ってくれました。
MIP（もっとも印象に残った選手）というと清原翔平選手です。本当に１年間ずっとブレないで、最初はＪ３からのスタートでしたけど、練習からずっとよかったですし、試合に出始めてからは力を発揮しました。Ｊ１昇格プレーオフは緊張したと言っていましたが、しっかり結果（決勝でゴール）を出しました。藤本康太選手の復活は個人的にもうれしかったですし、チームとしてもリーダーになるべき、大きな選手なんだなと再確認できました。
前田 僕もMVPは杉本健勇選手です。ピッチ内だけではなくて、対メディア、対サポーターを含めて、メッセージの発し方など精神面も含めて成長というのをすごく感じました。もちろん彼はまだまだ伸びる選手で、柿谷曜一朗選手とともに先頭に立って歩まなきゃいけない選手。今年はその第１歩だったかなと思います。開幕前の目標として『走りきること』と言っていて、それはずっとやっていましたし、自分のプレーだけではなく、チームのために何ができるのかを考えていました。ケガをしたときは、『肋骨１本ぐらい』という言葉がありましたが、それぐらいのことを平気で言えるようなたくましさを身につけました。U-18出身、生え抜きの選手は甘いんじゃないかということを言われるきらいはありますけど、そうじゃない、チームのために体を張ってるんだということを体現した彼に関しては、すごいとしか言いようがないです。
それに近いものでMIPにあげるなら、キム ジンヒョン選手。柿谷選手が長期離脱したときにゲームキャプテンをすることになって、韓国代表戦もあったにも関わらずチームのために体を張って、失点が多いことに責任を感じて、自分ができることはこれぐらいだと言って頭を丸刈りにしてしまった。自分がこのチームを昇格させないといけないとずっと言っていました。いくつビッグセーブがあったのかと思うほどの活躍で、最後の最後も彼のビッグセーブに救われたところもありました。
和田 私も、MVPはやはり杉本健勇選手です。やってやるぞという気持ちをすごく感じましたし、野次られても陰で文句を言うのではなく、『堂々と受けます。その代わり、僕がちゃんとプレーしますから皆さんは付いてきてください』と、そういうことが言える選手になったのはすごく頼もしかったです。杉本選手がいなかったらＪ１は見えていなかったかも…。代表にも、ぜひまた選ばれてほしいです。MIPは柿谷選手かなと思いますけど、丸橋祐介選手、松田陸選手の両サイドバックなくしてこの１年間は戦えなかった。彼らはいつも相手どうこうじゃなくマイペースで持ち味を発揮し、大阪出身の２人が両サイドを支えたな、と。２人をMIPとして称えたいです。
vol.6に続く
【出席いただいた皆さん】
■前田敏勝さん（左）
Ｊリーグ公認ファンサイト「J’sGOAL」のセレッソ大阪担当。セレッソのオフィシャルメディアや雑誌、WEBなどで広くサッカーライターとして活躍を続けている。
■和田りつ子さん（中）
元女子１級審判で、スカパー! の中継レポーターの経験も豊富。サッカーの見識、愛情ともに深い“おしゃべり屋さん”。セレッソ大阪堺レディース、ガールズも取材。
■小田尚史さん（右）
『エルゴラッソ』のセレッソ大阪担当として、ホーム・アウェイの試合、トレーニングと広く深く取材を続けている。チーム愛に満ちた熱い記事が持ち味の気鋭のライター。
■進行・まとめ
横井素子（まいど！セレッソ～マイセレ～編集担当）
2016年12月15日実施
