●玉田稔社長
「皆さんこんにちは。セレッソ大阪にとりまして、久々のJ1ということで、将来いろいろと考えていく中で、今年は大変重要な年になるなと考えております。その大切な年に、後ほどご紹介しますけども、清武選手という現役の日本代表選手を補強できたことを大変うれしく思っております。獲得の経緯などは後ほど、大熊統括部長の方から説明させていただきます。我々、強力な戦力を得まして、サポーターに愛されるチーム作りを進めていきたいと思っております」


●大熊清チーム統括部長
「こんにちは。本日はお忙しい中、ありがとうございます。少しだけお時間を頂いて、敢えて『キヨ』と呼ばせてもらいますけども、キヨの獲得の経緯をお話させていただきたいと思います。今年に入りまして、キヨが移籍先として日本、そしてセレッソを視野に入れてくれているという情報を得まして、いろんな角度からリサーチを始めまして、1月の13日に、社長とご相談し、スポンサーの協力を得まして、具体的なオファーを出させていただきました。そのオファーに対して、セビージャもなかなか向こうの妥協する条件とかい離した部分が非常にあったと思います。それが、30日、31日に、スペインのウインドーやキヨの日本に戻りたいという意思、そして、セレッソに関わる方々の尽力とスポンサーのご支援がありまして、スペインのウインドーが閉まる31日に移籍が成立したということになりました。ぜひ、セレッソのために力を貸していただいて、まだ、タイトルを取っていないというところで、ぜひセレッソの一員としてタイトル獲得に向けて頑張って欲しいと思っています」


●清武弘嗣
「こんにちは。4年半ぶりにセレッソ大阪に帰ってきました。今回、社長や大熊さんを始め、スポンサーの皆さまには本当に感謝しています。その感謝をピッチの上で表現しないといけないと思っているので、しっかりと結果を残せるように、そして、今クマさんも言われたように、セレッソはタイトルを取らないといけないクラブだと思うので、何かタイトルを取れるように頑張りたいと思います」
会見冒頭挨拶の動画

●清武選手への質疑応答
Q:完全移籍会見のこの場にいることをどう感じていますか?
「なんか不思議な感じというか…。でもすごく幸せですし、光栄に思っています」

Q:セレッソ大阪への復帰を決めた最大の要因と、決断のタイミングはいつだったのか?
「去年の10月、11月くらいからセビージャで試合に絡めなくなりまして、いろいろと考えていく中で、今、自分が一番動けるタイミングで日本に帰るのもいいのではないかなと思い始めました。1月に真剣に移籍について考え始め、その中で、サッカー選手として一番いい時期に日本でやることも含めながら、欧州からのオファーもありましたし、いろんな面で考えながら、日本に帰ってくるならセレッソ大阪と決めていたので、その中で今回、オファーをいただいて、1月31日に決めていただいて、僕はうれしく思います」

Q:セレッソでプレーしたいと思った最大の理由は何ですか?
「2010年にセレッソに移籍して、僕が一番サッカーの楽しさを知ったというか、『こんなにサッカーって面白いんだ』と思ったのがセレッソに来て初めてだったので、セレッソはそういうクラブだと思うので、またそういうクラブで楽しくサッカーがしたいなと思ったし、それが一番大きな決断の理由です」

Q:ドイツ、スペインと海外の経験で得たもの、ここが成長したと思えるものは?
「技術的に伸びたとは思っていないですけど、気持ちや戦う姿勢は海外で身に付きました。この4年半で、自分のサッカー人生や自分の体だったり、いろんなことに向き合えたので、それが一番成長した部分なのかなと思います。海外は自分の時間が多いですし、自分と向き合う時間を作れたので、それが一番大きかったと思います」

Q:海外から、セレッソをどう見ていましたか?
「知っている選手もたくさんいるので、毎年、毎年、注目しながら見ていました」

Q:昨季の戦いぶりやJ1昇格についてはどうご覧になっていましたか?
「僕がどうこう言える立場ではないので、何と言っていいか分からないですけど、J1昇格したことを僕はうれしかったですし、セレッソ大阪は絶対にJ1にいないといけないクラブだと思うので、自分のことのようにうれしかったです」

Q:昨日チームに合流されたと思いますが、今のメンバーの印象はいかがでしょうか?
「4年半前とは変わっている部分もありますけど、知っている選手もたくさんいますし、若手も入ってきて、相変わらずみんな仲がいいなと思っています(笑)」

Q:チームメートからはどんな声をかけられましたか?
「僕は酒本選手とマル(丸橋)と関口さんと一緒の部屋だったので、最初に会ったのはシャケさん(酒本)でした。『お帰り』と言ってもらって、それはすごく嬉しかったです」

Q:今シーズン、どんなプレーをチームに生かしたいと考えていますか?
「もちろん、海外から帰ってきて自信のないプレーはできないですし、そういう期待やプレッシャーはありますけど、僕はすごくワクワクしていますし、楽しみにしています。チームを勝たせるような選手になりたいですし、いい順位で終われるように、いいシーズンにしたいと思っています」

Q:このキャンプでの意気込みと、どういうところを強化していきたいですか?
「開幕まで残り期間も短いので、詰めるところはしっかり詰めて、監督がやりたいことも理解しながら、いろんなことをすり合わせていきたいなと思います」

Q:尹晶煥監督の印象はいかがですか?
「弟(清武功暉)が鳥栖で尹さんとやっていたので、『すごく厳しい監督、すごく走る監督』だと聞いています。現代サッカーは走らないと意味がないので、いいのではないかなと思います」

Q:日本代表としても、3月からW杯アジア最終予選が再開されます。日本代表として戦う意気込みについてはいかがでしょうか?
「今年は代表にとっても大事な年になりますし、最初のアウェイのUAE戦が大事になってくると思う。そこで勝てれば波に乗れると思うで、代表のみんなもそこに標準を合わせていると思います。まずその試合が大事になってくると思います」

Q:今シーズンに向けた抱負、目標について教えてください。
「みんな思っていると思うのですが、何かしらタイトルは欲しいですし、タイトルを取ることによってセレッソ大阪というチームがもっともっと強くなると僕は信じているので、そこに向けて自分の力を100%出していきたいと思います」

●玉田社長へ質疑応答
Q:改めて、清武選手をなぜ獲得しようと思ったのですか?
「2017年のチーム作り、選手の構想を進めてきた時に、去年の反省を生かしてDFラインの強化から進めて、『攻撃にもう一人欲しいですね』ということも大熊さんと話をしていました。しかしながら資金的に難しいこともあって、現体制で行こうかということでスタートしたのですが、そこに、先ほど大熊が説明したような経緯で清武選手の話が出てきまして、日本で、セレッソでやりたいということを表明してくれまして。我々には、セレッソで育った選手は戻したいという構想があるんですけど、なかなか厳しいタイミングでもあったのですが、スポンサー企業のご支援もありまして、決断したということになります」

Q:交渉について、お話できる範囲で結構ですが、苦労した点と決め手になったポイントは?
「私は直接、交渉していないので、大熊の方から説明してもらった方がいいかなと思います。大熊さん、言える範囲でお願いします」

大熊チーム統括部長
「冒頭にもご説明したように、やはり移籍金の部分も含めて、セビージャもこのサッカー界で投資している(部分がある)。(清武が)移籍してそんなに経っていない、ということもセビージャにしてみればあったと思いますし、次の動きもあったりする中で、そこでの妥協点というか、作り上げるということが(大変だった)。一度ではなくて何回もやり取りするところと、払い方の問題だったり、インセンティブの問題だったり、そういうすり合わせは、大変というよりも、時間がやっぱり必要でした。冒頭で言ったように、キヨの意思、それと今までセレッソに関わってきてくれた方々、キヨを育ててくれた方の気持ちがあって、キヨも『セレッソで』という気持ちになってくれたと思います。それと、今回支援して下さった方々と、いろんな力が結集しなければ、この移籍は成り立たなかったのかなと思っています」

再び、玉田社長への質疑応答

Q:選手の循環をセレッソは特に進めていらっしゃいますけども、海外を経験した選手が改めてクラブでプレーすることの効果をどうお考えでしょうか?
「私自身、海外でプレーした経験はまったくないですけど、先ほどキヨが言ったように、かなり厳しい条件の中でプレーしてきていると思います。セレッソは、周りから見た時に、甘さ、緩さを指摘されることも時々ありますけども、そういう意味で、厳しさを持ち込んでくれると、新たなものを持ち込んでくれると期待しています」

Q:清武選手の加入で、チームにどんなプラス効果を期待していますか?
「先ほども話したように、攻撃陣に駒が少し足りないかなという懸念が払しょくされたことと、厳しさをチームに与えてくれると思います。監督もコメントしていましたけど、攻撃の起点として活躍してくれることを期待しています」

●大熊チーム統括部長へ質疑応答

Q:清武選手の魅力は、率直に言ってどういったところだとお感じですか?
「正直、そんなにキヨと会った回数は少ないのですが、サッカーは人が出ると思うのと、こういう機会があって、接しさせてもらっていて、人間力だという風に思います。経験を含めて、社長が言われた厳しさも含めて、非常に人間力がある選手だと思います。チームを変えることは大きな力が必要なんですけど、それを持った選手だと思っていますし、サッカーでは、人を生かせる、かつ自分でアシスト、ゴールができる選手はいそうでそんなにいない。唯一無二に近い存在だと思うので、ぜひセレッソでその力を発揮して欲しいと思います」

Q:清武選手が加わることで、チーム戦術にどういういい効果が出てくるとお考えですか?
「尹さんとコンセプトを作るなかで、献身性を持って走ることをコンセプトにしてやっています。走ることは、現代サッカーではキヨが言うように必要なんですけど、去年の反省も含めて、時間があることによって、モビリティーが生まれたり、守備の安定がさらに出てくると思う。しかも、アシストや具体的な点に絡むことを期待していますし、そういうことがチームに現れてくると思います。彼の加入で競争意識がさらに出てきて、ハイレベルでの競争ができることは、非常にチームに影響を与えるのではないかと思います」

Q:チームが掲げる『桜スペクタクル』が清武選手の加入によってどう進化すると思われますか?
「この2年間、その前も、厳しい中でやってきたわけですけど、ワクワクする攻撃的なセレッソのサッカーを目指していくことが、そのスローガンに掲げられていると思います。それは、監督だけでもできなければ、フロントだけでもできない。主役である選手が表現することがベースにあってこそだと思います。ワクワクするということでは、想像性がサッカーでは非常に大切で、相手がマークし辛い、もしくはアイディアなどは教えられないところがあると思います。彼はそれを持っていて、我々が掲げるところをしっかりと、教えない部分も持っているので、そのことによって、さらにセレッソのコンセプト、チームとしての哲学がしっかりして、土台になっていくのかと思います。我々も楽しみにしているし、周りも感化されて、いろんな意味でどんどんレベルが上がって行けばいいと思います」