「まいど!セレッソ」のオフ恒例企画となった「選手別レビュー」。
実り多きシーズンの終わりに、番記者が思いを込めて各選手たちの活躍を振り返ります。


山下達也の2017年

 近年のセレッソ守備陣のなかで、柱の1人と言える存在の山下達也。桜たたき上げのタフネスセンターバックは、過去3シーズンはほぼすべての試合で主軸としてセンターラインの一角を担ってきたが、2017シーズンのJ1リーグ戦出場は26試合のみ。負傷離脱を強いられるなど、決してすべてが順風満帆というわけにはいかなかった。それでも、特に前半戦ではマテイ ヨニッチとのコンビで、ゴール前で幾度も相手の攻勢を跳ね返し、チームの堅守に貢献。守備に重心を置く戦いが多いなかで、忍耐強くバランスを取りながら、ピッチのなかで個性あふれるイレブンをまとめていた。
 また、ヨニッチや木本恭生、山村和也らとともに、セットプレーでは相手の脅威として君臨。秋以降は木本の台頭もありベンチに控える形となってしまったが、それでも出番を奪い返すべく、虎視眈々と、真摯にトレーニングに励み、紅白戦でも熱く激しいディフェンスでチームを鼓舞。終盤のリーグ戦、カップ戦での好成績には当然、彼の力も貢献している。
 2018シーズンは、再びACLへの挑戦のとき。外国籍選手にも見劣りしない果敢で頼もしきディフェンスを示すためにも、この1年の糧を無駄にするつもりはない。あの力強さは、これからもセレッソに必要だ。

ライターからひとこと

 ピッチでは熱く、ピッチの外では朗らかで温和な印象を抱かせる山下選手。ときにチームメイトをいじったり、チームの雰囲気を和ませてくれるのも彼のよさなのは、サポーターの皆さんもご存じのことでしょう。ただ、キム ジンヒョン選手もそうでしたが、「自身のプレーに関してはなかなか満足がいかない」と、取材のときによくコメントしていたように思います。
 2017年の終盤は、ラッキーボーイ的な存在でもあった木本恭生選手がレギュラーに定着し、出場にこだわる山下選手にとっては内心穏やかではなかったかもしれません。それでも、彼や茂庭照幸選手、藤本康太選手のような心身ともに頼もしき選手がいることが、チームの2冠獲得につながっていると、日々の練習を見ているなかで思わせてくれました。
 シーズン途中には、自慢の長髪をバッサリ切って精悍な短髪姿に。改めてかっこよさが際立つという声も多数聞きますが、それはともかく、2018年も闘志みなぎるハードディフェンスでサポーターを大いに沸かせてほしい選手の1人です。

文・前田敏勝

マイセレ:山下達也選手の記事一覧