2月6日(土)に開催しました「サポーターズコンベンション2016」第2部について、下記のとおりお知らせいたします。

【第2部(2)】

チーム統括部方針発表(宮本功 チーム統括部長兼一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブ代表理事)
チーム統括部方針資料(PDF/453KB)

 今日はチーム統括部の責任者として説明をさせていただきます。まず、チーム統括部という名称を久々に復活させています。ここ数年、強化部という表現でチームを動かしていました。今年は、ご存じのように、大熊清監督がトップチームを率いながら、強化の一部も担うということから、チーム統括部を復活させて、それをうまく動かしていくのも当然必要ですし、1年だけではなく中長期で動かしていかないとチームがなかなか強くならないので、それをできる仕組みにしました。

●チーム統括部方針資料 P2
スローガンが新たに定まり、このスローガンのもとにいろいろなマネジメントが展開されていきます。SAKURAという言葉を初めてこういう形で前面に出して使うのですが、今まで育成型と言われながら、トップチームがJ2にいるという現実だったり、何回も優勝するチャンスがありながら勝てなかったり、今まであと少しというところで必ずなぜか勝利が逃げていく、もしくは勝利に相当する結果が逃げていくというところがありました。成功しているところ、そうでないところ、しかも会社を2つに分けて、株式会社と一般社団法人でチームを運営するという珍しい形を採用しているわけですから、やはり、わかりやすい言葉、わかりやすいコンセプトで、2つの会社がそこに一生懸命向かって進んでいくことが必要なタイミングになっていました。それを今回整理して、クラブのスローガン、チームのスローガン、サッカーのスローガンとして、「SAKURA SPECTACLE」としました。育成のスローガンとしては、「SAKURA DNA」という言葉に基づいて展開をしていきたいと思います。

●チーム統括部方針資料 P3
チーム統括部については、組織図を見ていただくとわかるように3つに分かれています。
「フットボールオペレーショングループ」、これがチームを動かします。たとえばチームの評価、選手の評価、契約、査定、編成、そういう本当のチームを作っていく、いわゆる以前の強化部の本質の部分、これを「フットボールオペレーショングループ」として、ここの部長を大熊清監督が兼任します。モリシ(森島寛晃)もここにいます。「フットボールオペレーショングループ」は、サッカーの部分に集中します。ただ、それだけではチームは実際には動きません。それをしっかりバックアップするグループを設けます。そのうえで、今回U-23という名称で、J3にも1チーム参加します。J2クラブの中では、我々セレッソしかJ3にチームを出していないのですが、それを動かすためにも、アカデミーとうまく接続していくためにも、「普及育成グループ」を含めたこの3つのグループでチームを動かしていきます。これがチーム統括部です。

●チーム統括部方針資料 P4
チームをピラミッドで表すと、名称も整理しましたが、トップチームがセレッソ大阪と、セレッソ大阪U-23。すごくわかりにくいと思いますが、セレッソ大阪U-23というチームはJ3に参戦しますが、1つのチームとして独立して登録しているわけではありません。すごくイレギュラーな形で今回のU-23のチームを鍛えていくということを、Jリーグが導入したのです。ですから、トップチームの全選手=U-23の選手でもあります。けれども、U-23が出場するJ3には、23歳以下というルールが当然あり、オーバーエイジの人数が定められていて、GKが1名、フィールドプレーヤーが3名までしか出場できません。でも同じチームですから、自由に行き来ができます。仮りの話ですが、同じ日にトップチームとU-23チームの試合があって、もしサブのメンバーに入っていて一方の試合に出なかったら、もう一方の試合に出られます。1分でも出てしまうと、その日はもう一方の試合には出られません。

なぜ我々がU-23チームでのJ3入りに手を挙げたか。我々は今、育成型で戦っているわけですが、トップチームの選手にとって、いいコンディション、いいトレーニングをしていくうえで、たとえば若手のトレーニングとベテランのトレーニングでは、若干違います。シーズン中のトレーニングと、トップチームの試合に関わっていない若手のトレーニングは、まったく違います。コンディショニングのトレーニングを1年間ずっと若手が続けたら、なかなか成長がスピードアップしません。そういう意味でも、我々はU-23に手を挙げて、さらにトップチームのコンディションをあげていく。トップチームの選手の、試合に関わっていない選手たちの実戦経験、要はコンディション調整などをすべてJ3側で担保できます。GKは、なかなかみんなが試合に出るということはできません。試合勘は大事になりますが、そこでJ3(U-23チーム)があります。トップチームの選手たちにとっても、すごく大事です。

一方で、U-23という年齢制限がかかっているので、ここで選手たちを本物にしていく。有料ゲームですから、アカデミーと同じような戦い方をするのではありません。必ず勝負にこだわるし、プロとして戦わなければいけないのです。そこをしっかりやりながら、トップチームが勝つ。それをしっかりやっていきたいと思います。

そのうえで、その下のアカデミーの選手たちを、「セレッサ」と呼んで、レディース、ガールズも含めて、しっかり活動していきます。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、この2年間で、U-12、U-15、U-18、小学生年代、中学生年代、高校生年代で、全部日本一になりました。男子も女子も全部日本一になっています。今後、まだまだ子どもたちは成長してきます。順調に成長してくれば、小学生年代から日本一の選手がずっとこれから上がってくるのです。ここまで、ちょっと時間はかかりましたが、表現することができるようになってきました。それをトップチームにどうしてもつなげたい。勝ちたい。その媒体をU-23がやります。

ただし、U-23は、あくまでその選手たちがトップチームで活躍するための場所です。そこに居着かれてもらっては困るのです。ビックリするかもしれませんが、トップチームとは条件が違います。タイキャンプには行っていません。高知にキャンプに行っていました。朝6:30分から走っていました。アカデミーのマイクロバスで高知に行きました。僕が乗ることを考えても、なかなかハードだと思います。要は、選手たちが絶対に上に上がって成功をつかめるような、きちっとしたマネジメントをしていきたいと思います。

●チーム統括部方針資料 P5
そのうえで、世界基準の選手を輩出しながら、海外で活躍する出身選手を循環して強化することで、シーズンを安定して戦いながら、勝つ、優勝する。これを中期の方針としています。
今年から一部、そういう形が入っています。でも、本当の意味で、ずっとこれを継続していくためには、J1にいないとダメです。セレッソがいつも優勝を争える、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)でも優勝を争える、そういうチームになって初めて、循環する強化が成立するはずなのです。今は、戻ってきてくれている彼らは、言葉でうまく表せないのですが、すごく勝負してくれていると思います。遥かに条件がいいところから戻ってきてくれたからです。僕らが成長していかないと、本来戻ってこられないと考えています。一方で、戻ってくるような強化をするためには、選手を出し続ける必要があります。中途半端ではなく、世界レベルで。それをきちっと循環させていく。私はアカデミーも担当していますが、非常に厳しい条件になります。世界、海外に行かない選手をひたすら育てるのであれば、セレッソは早く強くなるかもしれません。でも、そうではなく、世界に出す選手を育てて、循環して、勝つ。あくまでそれを目標に、アカデミーとトップチームがハーモニー(調和)しながら、チームを強くしていきたいと思います。

循環、強化するためには、いろいろな契約をすごく工夫して、世界のレベルできちんと対等にやれるようなノウハウが必要です。それから、当然、いい選手を戻してくるわけですから、選手の個性を生かした編成も必要になるでしょう。それは、少し前に学びました。海外の有力クラブと、もっと良好な関係を築く必要もあると思います。そのうえで、U-23を活用しながら、世界的な選手を育てていく。ハナサカクラブのご支援をいただきながら、子どもたちに安定したトレーニングを施しながら、子どもたちに感謝の気持ちをきちっと醸成していく。言い換えれば、「SAKURA DNA戦略」という表現を使いましたが、セレッソに対する帰属意識をしっかり作る。謎の練習生の練習を受け入れない監督は、ウチには来ない(笑)ということなのです。でも、これは重要なマネジメントです。嫌だとかいう人は来られない。なぜならば、それが我々のモデルだからです。会社は株式会社と一般社団法人に分けていますが、社団法人はその環境整備を一生懸命していく。そのすべての力を、すべての知見を使ってチームを勝たせる。それをしっかりとやっていきたいと思います。

もちろん、今年J1に戻って、さらに選手を強く、チームを強くしていく。それから、いい選手を戻していく。J2とJ1だと、すごく差がある。それは、対戦する相手も違うからです。もちろん、対戦する相手が違うから、クラブにもたらされる財政面がまったく違います。それが選手のところにそのまま跳ね返っていくのです。ですから、このモデルで本当に戦うためにはJ1に戻る必要があります。そこを全力でやりながら、U-23もしっかり戦って、今まで20年間取れていない、てっぺん(タイトル)を取りたいと思います。
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