今シーズンもセレッソ大阪のキャプテンは、この人、柿谷曜一朗選手。
昨季は思わぬ負傷で長期離脱を余儀なくされたが、J1昇格が懸かった大一番で復帰にこぎつけ、苦しみながらもチームを目標へと導いた。
2017年、3年ぶりのJ1。開幕を前に彼は何を思うのか。


 コンディションはだいぶ上がってきました。あとはケガの状態をみて、無理をしないで少しずつという感じで、開幕に向けて上げていっています。ケガは去年の終わりから比べると、まったく問題ないレベル。だから今日の練習試合(横浜FC戦 )もやれました。本当は後半も出たかったけど、無理をしないでおこうということで(前半だけで)やめておこうと。

 チームの雰囲気はメッチャいいですね。去年に比べたら…去年の一体感と今年の一体感はまた別のもので、それはキヨ(清武弘嗣)が入ったことももちろんあるけれど、キヨが入る前からそれは感じていました。

 監督が代わったから?それもあるけれど、まず全員が監督を意識するのは当たり前で、監督が代わったらなおさらそう。人と人の付き合いやし、ましてや国籍の違う韓国人の監督ということで、尹監督の魅力とか人間性とかを選手みんなが理解しようとしているというのはすごく感じます。去年は、前(一昨年の途中から)から大熊(清)さんの体制でやっていて、やっぱり大熊さんに対するリスペクトが欠けていた部分もあったんじゃないかな、と俺は思います。それはサポーターも含めてね。


 今の雰囲気の良さが結果につながるかどうかは、知らんというか、わからない。それは今からのことだから。まだ今は50点、60点ぐらいかな。チームの雰囲気は監督ではなくて、選手たちが作っていくもの。その中心となる存在がこのチームには必要かもしれないな、とは思います。まだ自分たちでは若いし…。ただ、俺はシャケ(酒本憲幸)さんがこのチームにいてくれるのは大きいと思っています。このチームがもっているのは、シャケさんがいてくれるからやと思うし、いいときも悪いときも、チームとしても個人としても、あの人に助けられていることはすごく多い。だからといって、こんなことシャケさんに言うことはないし、普段からチョケているような人だし、そういう間柄やけど、あの人の存在がチームを支えている大きな要因やと思います。

 俺はシャケさんとは違うやり方でチームで支えていると思うし、別のやり方でもっとチームを大きくしたい。シャケさんはシャケさんの経験があって、自分には自分の経験がある。どっちもかけがえのないもので、それは森島(寛晃)さんもそう。今27歳になって、この先1年ずつ積み上げていけるものはたくさんあるし、すごく大きいと思うし、ホンマに楽しみです。これから先のセレッソにも、自分にもすごく期待しています。

「このチームをよくしたい」という思いは、もうわざわざ口にする必要もないほど持っている。(山口)蛍とかもそうやと思うけど、俺らぐらいの年になったらね、そんなこと、もうどうでもいいぐらいの感じです(笑)。このチームの中心になりたいと思うし、今まではプレーだけをしていけばよかったけど、立場が変わるともっと多くのこと、視野を広げて見ること、いろんな人と係わって、いろんなことを経験することもできる、自分はそういうポジションにいると思っています。

後編につづく

構成・文 横井素子
インタビュー:2月8日@宮崎キャンプ