8月14日(日)2016明治安田生命J2リーグ第29節
セレッソ大阪 - 松本山雅FC (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
----------

 正直に告白すれば、この大一番はお互いに万全な状態で迎えたかった。3連戦の最終戦で、前節から中2日という短いインターバルで迎える今節。両チームの選手たちの疲労はピークに達している。いくら走力やハードワークが持ち味の松本とはいえ、その真価を十二分に発揮することは難作業と言わざるを得ない。
 それでもセレッソ大阪サポーターはもちろん、遠く離れた松本からも多くのサポーターがキンチョウスタジアムに駆けつける一戦。会場に集う方々には、全力で戦う姿勢を見せて報いるのがプロフェッショナルの責務である。試合開始から最後まで全力を尽くし、もちろん勝利を目指して、雷鳥戦士たちは敵地へと乗り込む。

 その松本、今節に勝点3がどうしても欲しい理由がある。第26節・徳島戦から前節・岐阜戦まで3試合連続引き分けと、壁に直面しているからだ。特に前節は序盤から主導権を握って先制に成功しつつも追加点を挙げられず、試合終了間際の失点で追いつかれるという心身ともにダメージの大きい試合を演じてしまった。嫌な流れが漂いはじめているチームの雰囲気を好転させるには、敵地で強豪相手に真っ向勝負を挑んで勝つことが最良のクスリだ。事実、「鬱憤を晴らすには、またとない相手」(反町康治監督)、「セレッソ戦に勝つか負けるかで、この3試合の意味が変わってくる」(後藤圭太)と監督、選手からも闘志みなぎる声が聞かれているのは頼もしい。

 もちろん、単なるカラ元気にあらず。前向きな言葉を発することができるのも、プラス材料があるからこそ。松本は今夏、高いボール奪取能力で中盤を引き締めるパウリーニョ、そして空中戦に圧倒的な自信を見せる三島康平の2人を新たに迎え入れた。明確なストロングポイントを持つ両者の加入は、チームの総合力という点で大きなプラスとなっている。実際に岐阜戦は両者ともに移籍後初先発で起用されるや、随所に持ち味を発揮して能力の一端を示している。今節、先発かベンチスタートかはまだわからないが、チーム戦術にも馴染みつつあるだけに近いうちに大爆発も期待できる。その相手が昇格争いのライバルであれば、この上ない喜びと言えよう。

文・多岐太宿