9月3日(土)第96回天皇杯2回戦
セレッソ大阪 - 京都サンガF.C. (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 リーグ戦での対戦に続き、今季3度目の関西ダービー。前回対戦は2016明治安田生命J2リーグ戦第26節 (7月31日)で、およそ1カ月空けての対戦となる。
 3度目ともなれば原稿のネタも尽きるかと思いきや、チームというのは日々変遷することを痛感する最近の京都サンガF.C. の戦いぶり。なにしろ、天皇杯1回戦を含めて5試合連続無失点を継続中なのだ。首位・札幌戦(第30節)も無失点に抑えた。京都にとっては、前回のセレッソ大阪戦で3-0から追い上げられた悔しい引き分けがきっかけとなり、「守備陣で話し合った」(菅沼駿哉)ことで守りを改善させた。染谷悠太も「みんなで意思統一ができています。守備をコンパクトにしながら、構えて相手の攻撃を止めることができていると思う」と話す。さらに、「落ち着きが生まれることで、相手の攻撃が広範囲で見えるようになりつつある」とも言い、守備から攻撃への一手目も洗練されつつある。セレッソとのあの戦いから、チーム全体引き締まった印象だ。

 3度目となる関西ダービーだが、見どころはJ2屈指の攻撃力を誇るセレッソを相手に、京都がもう一度、どれだけ粘り強く戦えるか、だろう。
 気になるのはメンバー構成。京都は天皇杯1回戦(vsバンディオンセ加古川<兵庫県代表>)で先発メンバーを8選手入れ替えた。もともと石丸清隆監督は天皇杯の位置づけについて「新しいチャレンジができる」としていた。「コンディションを落とさず、チームとしてチャレンジしたい」の言葉通り、フィールドプレーヤーでは今季公式戦初出場となる和田篤紀(セントラルMF)、齊藤隆成(左サイドバック)の2人を起用(齋藤はプロ初出場)。MFではアンドレイ、左サイドバックも本多勇喜と岩沼俊介がおり、誰が出ても不思議のない状況だったが、指揮官は和田、齊藤の2人を大胆に先発起用し、彼らもこれに応えた。この采配も新しいチャレンジの1つと見ていいだろう。
試合後の下畠翔吾の言葉が印象的だった。「各選手が普段から秘めていた思いを、試合にぶつけられたんじゃないかと思う。これからも僕たち若手がこういった雰囲気を出し続けたい」。
 天皇杯第2回戦へ、チームを勢いづける戦い試合となった。

 石丸監督の言う「チャレンジ」は、実は攻撃面でのオプションを増やすことを意味している。その意味でも、2回戦では誰を起用し、どういう狙いを持って攻め込むかはポイントになる(詳しくは明かせないが…)。強敵・セレッソを相手に、1回戦のメンバーを起用し新戦力の台頭を図るか、それともいつもの先発メンバーを起用して新たな戦略で臨むのか、その点にも注目だ。
 もう1つ、セレッソ戦で必ずポイントになるのが「セットプレー」。前回対戦でもお互いに得点の口火を切ったのはCK。今回も、言うまでもなく要警戒だ。

 守備に固さの出てきた京都と、杉本健勇を中心に爆発力のある攻撃を誇るセレッソの激突。今季1分1敗のセレッソの「3度目の正直」か、京都が「2度あることは3度ある」と先手を取るか、大いに楽しみな一戦だ。

 文・武田賢宗