9月25日(日)2016明治安田生命J2リーグ第33節
徳島ヴォルティス - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/鳴門大塚)
試合写真・コメントなど チケット
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 勝点40で12位。序盤の苦戦が響いてシーズン前半戦は低迷した徳島ヴォルティス だが、後半戦は5勝3分3敗。本気でJ1昇格プレーオフ圏の6位以内を目指している。しかしながら、その道のりはあまりにも険しい。

 天皇杯2試合を挟むため、8月末からJ2リーグ戦は一時中断。この残り12試合となった時点で、チームでは今季の動向を鑑みてJ1昇格プレーオフ圏のボーダーラインは最終的に勝点70程度になるだろうと見ていた。当時の徳島の勝点37からだと、最低でもあと10勝は必要。その目標を達成するには、神がかり的な出来事も必要になってくるだろう。

 そして、リーグ戦再開となった第31節・北九州戦(1○0)。後半アディショナルタイムに途中出場の渡大生が古巣相手に劇的な決勝弾を挙げて勝利。この勝利は大きかった。セレッソ大阪のファン・サポーターにその感動を伝えるならば、セレッソの第32節・北九州戦(1○0)でケガをおして途中出場した杉本健勇が決勝弾で劇的な勝利に導いてくれた興奮と似たものだと考えていただければいい。だが、徳島はその劇的な勝利となった北九州戦翌節の第32節・山形戦(1●2)で痛恨の敗戦。
 残り10試合の現在、勝点は40。目標数字の『勝点70』から逆算していけば、もう1敗もできない。引き分けでも届かない。故に、徳島にとって今節の一戦は山場中の山場。背水の陣で勝利のみを取りにいけなければいけない合戦。天皇杯3回戦・湘南戦(0●4)も、中2日というコンディションを考えてリーグ戦とはメンバーを替えて臨んだ。この一戦が、それだけ重要なのだ。

 さて、注目ポイントの多い一戦となりそうだが、最も関心を向けているのがサイドの攻防。今季の徳島は若手サイドプレーヤーである内田裕斗、広瀬陸斗が著しい成長を遂げている。若さ故の失敗もあれば、若さ故の挑戦もあり、彼らのパフォーマンスが試合の勝敗も大きく左右する。
 特に、今節で注目してほしいのが右サイドの広瀬陸斗。足が止まらない。疲れを知らない。成長が止まらない。「いやぁ、相当きついっすよ(笑)」と言う広瀬だが、相手とのバトルを楽しんでいる。そして、その広瀬がシーズン前半を戦い終えた時、最も手強かった相手として名前を挙げた選手がセレッソにいる。それは、丸橋祐介。「守備の時も攻撃の時も、難しかったです。高い位置でも低い位置でも自分がプレッシャーに行けない距離間を保つのがうまくて、捕まえさせてくれなかったです」(広瀬)。負けず嫌いの広瀬が、2度も同じ相手に主戦場を譲るはずはない。

文・柏原敏