11月20日(日)2016明治安田生命J2リーグ第42節
セレッソ大阪 - ロアッソ熊本 (14:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 セレッソ大阪サポーターの皆さん、まいど。
 熊本にとって、この先ずっと忘れられない1年として語り継がれていくであろう2016年の最終節に、思いっきりぶつかれる機会に恵まれたことをうれしく思います。熊本はホーム最終戦となった前節、2008年にJ2入りした同期の岐阜に1−0で勝って、J2残留を決めました(セレッソ戦まで引っ張らなくてホントに良かった…)。
 もちろん、目標としていたJ1昇格プレーオフ進出は果たせなかったので喜びの種類は少し違います。しかし、選手たちにのしかかっていた心身両面での負担を思えば、ある意味ではそれ以上の価値のある結果だと、私たちは誇りに感じています。

 セレッソとは、前期の対戦 も熊本にとって節目のゲームでした。4月に起きた熊本地震の影響で使えなかった、うまかな・よかなスタジアムに84日ぶりに帰ってきた試合。結果は1−5と大敗こそしましたが、あのゲームで挙げたDF薗田淳選手の先制点は、スタジアムにいた熊本サポーターだけでなく、熊本のことを気にかけ、応援してくれていた皆さんに、画面を通しても笑顔と勇気と、喜びをもたらしてくれました。

 しかもあの時は、メンバー入りしなかったセレッソの選手たちも熊本に来て、翌日はサッカー教室を開いてくれたと聞いています。スタジアムでセレッソサポーターの方が掲げてくれた横断幕にあった、「熊本にJリーグが帰ってきたこの日をオレ達も忘れない!サッカーの絆と共に…頑張ろう熊本」というメッセージも、試合後のエール交換も忘れられません。ホームタウンにJクラブがある幸せを、対戦相手ではあったけれど皆さんと共有できたのですから。

 その後、セレッソから期限付き移籍で加わった小谷祐喜選手は、連戦でコンディショニングが難しいチーム状態を本当に助けてくれましたし、「サッカー以外の支援活動も、できることがあったらやってこい」と言われて送り出されたと聞き、歴史あるクラブの懐の深さをあらためて、感じさせられています。
 その小谷選手は今節出場できませんが、大阪出身の植田龍仁朗選手はじめ、先日の岐阜戦でJ2通算250試合出場を果たした奈良県出身の片山奨典選手も、地元が近いとあって大阪での試合に燃えています。

「このメンバーでやれるのはあと1試合。来年につながるゲームをしないといけないし、前期の対戦では大量失点して負けているので、しっかりリベンジして、良い形で今年を終えたい」とキャプテンの岡本賢明選手が言うように、熊本は1つでも上を目指して、この試合に臨みます。
 残留が決まったとは言え、まだ浮上できる余地がある勝点の状況。地震から7カ月、そして前期の対戦から4カ月半。元気になった熊本を、恩返しの意味も込めて、皆さんがJ1へ帰る前にお見せします。

文・井芹貴志