4月8日(土)2017明治安田生命J1リーグ第6節
鹿島アントラーズ - セレッソ大阪 (15:00KICK OFF/カシマ)
試合写真・コメントなど チケット
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 開幕戦こそオウンゴールでFC東京の後塵を拝した鹿島アントラーズだが、そこからリーグ戦4連勝と波に乗り、現在は首位・ヴィッセル神戸に勝点12で並ぶ2位。5試合すべてが1点差ゲームでの決着ということでもわかる通り、まだまだ本調子とは言えないが、前節も粘る大宮アルディージャを1-0で下し、勝ち切る勝負強さを見せた。悪いなりに勝ち方を身につけた結果が、勝点に表れていると言えるだろう。

 開幕戦前のFUJI XEROX SUPER CUPから数多くの選手を起用してきたチームの形も、ここに来てだいぶ固まってきた。エースストライカーの金崎夢生が右足首を痛めており欠場が続くものの、代わりにポジションを奪った鈴木優磨がすばらしい働きを見せている。前節はシュート0本に終わり「納得はしてません」と言いながらも土居聖真の決勝点をきっちりアシストし、チームの勝利に貢献した。コンビを組むペドロ ジュニオールも動きにキレを増しており、ドリブルを仕掛けたときの迫力は試合毎に増している。コンビネーションプレーも増えており、試合では2人の活躍に期待がかかる。

 とはいえ、この試合の注目ポイントは山村和也だろう。鹿島ではボランチかセンターバックでプレーしていた山村が、セレッソでトップ下を務めていることも驚きだが、さらにタレント揃いのセレッソ大阪で攻撃の中心になっていることは試合への興味を倍加させる。鈴木優磨からも「ヤマくんが一番の脅威」という声が聞かれた。

 思えば山村のポテンシャルは規格外だった。あの身長の高さから想像ができないほど足下の技術は高く、“鳥かご”といったパスまわしの練習のなかでも足首を柔らかく使ったトリッキーなプレーを見せており、その姿はおよそディフェンシブな選手には似つかわしくなかった。ハイボールの競り合いは強く、足下も柔らかい彼の特長を考えれば、おもしろい起用法だろう。

 対峙するかもしれない昌子源も「対戦は楽しみ」と話す。「日本代表に行ったときもセレッソの選手から『和也がめっちゃ良い』と言われた。初め“和也”って誰やねん、と思った」と笑っていたが、そのプレースタイルを「器用」と形容し警戒心を示した。「なんとなくイメージできるけど楽しみ」と、かつてポジションを争った元チームメイトとの対戦を楽しみにしていた。

 鹿島的には、小笠原満男と曽ヶ端準のJ通算500試合出場がかかった試合となる。2人同時達成となるかはわからないが、記念すべき試合を勝って終わりたい。

 文・田中滋