4月30日(日)2017明治安田生命J1リーグ第9節
セレッソ大阪 - 川崎フロンターレ (19:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 川崎フロンターレの今季最大の特徴は、引き分けの多さ。リーグ戦では直近の3試合で連続引き分け中。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)でもグループリーグ開幕から4試合連続で引き分けており、先日(4/25)行われた第5節の水原戦の勝利で初めて勝点3を手にしたという状況だ。

 今季から鬼木達監督がチームを率いているが、思うように勝ち星を伸ばせていない。風間八宏・前監督の構築したサッカーを継承し、攻撃力は維持しようと試みているが、FC東京に移籍した大久保嘉人の穴はやはり大きく、その穴を埋めることが期待されていた家長昭博が負傷により長期離脱しており、思うように攻撃を組織できないという状況がある。すでに復帰した阿部浩之も、負傷のため試合から離れざるをえない時期があったため、攻撃面の完成度はまだまだ低い。

 思い通りに進まない攻撃の組織づくりの一方、今季から力を入れようとしてきた守備面も、その完成にはまだ至っていない。リーグ戦では8戦中6戦で失点。複数失点は2試合に留まるが、それにしても昇格組の札幌・清水にも失点しており結果が出ているとはいい難いところがある。守備陣にもケガ人が続出しており、そうした現状が守備を固める過程を難しくさせている一面がある。

 と、こうした書き方をするとチーム状態はよくなさそうに思われるが、選手たちの士気はすこぶる高い。鬼木監督の人心掌握術もあるのだろうが、新キャプテンの小林悠、ベテランの中村憲剛を中心にチームはまとまりを見せている。結果が出ていないという点についても、ケガ人の続出で説明できる部分があるため、もう少し長い目で見る必要があるだろう。チームの雰囲気は、ACLのアウェイ・水原戦での勝利により上向きだと言える。

 勝点(13)・勝敗(3勝4分1敗)・得失点差(+2)までは並び、得点と失点で+2上回る川崎Fと、追うセレッソの直接対決。過去の川崎Fのイメージは今季のチームにはまだ当てはまらないかもしれないが、楽しい内容の試合になることを期待している。
なお、2015年に川崎Fに在籍し、ここにきて調子を上げてきている杉本健勇について、谷口彰悟は次のように述べていた。
「1年間一緒にやってますし、大体の特徴だったりは理解しています。ただセレッソに帰って成長しているという自信を持って臨んでくるだろうし、そこは思い通りにはプレーさせたくない。こちらも遠慮なくやりたいと思います」
 川崎Fゴール前での攻防には、注目したいところだ。

文・江藤高志(川崎フットボールアディクト