5月10日(水)JリーグYBCルヴァンカップ第5節
セレッソ大阪 - アルビレックス新潟 (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
----------

 開幕から2カ月が経ったところで、アルビレックス新潟は今節、大きなターニングポイントを迎える。J1リーグ戦第10節を終えたところで17位に低迷。7日、クラブは三浦文丈監督の休養と片渕浩一郎コーチが暫定的に指揮を執ることを発表した。
 暫定的に指揮を執るという発表が物語るように、片渕コーチが采配を振るうのは期間限定となる見込みだ。一部報道では、2012年ガンバ大阪のコーチを務めた呂比須ワグナー氏の名が次期監督として挙がっている。

 いずれにしても、リスタート初戦となるこのセレッソ大阪戦は極めて重要な意味を持つ。今の悪い流れを変えて次の体制にバトンタッチするためにも、なんとか結果を出したい状況にある。
 片渕コーチはセレッソについて、「鍛えられているし、もともとチームの気質としてハードワーク、戦える選手がベースになっている。リーグ戦とはメンバーの入れ替えがあるかもしれないが、戦いのベースは変わらない。自分たちは、それを逆手に取って利用できれば…」と、特徴を理解した上で反撃のきっかけをつかむ考えだ。

 そして、チームとはまた違った高いモチベーションでセレッソ戦の出場を熱望する1人の選手がいる。今シーズン、アルビレックス新潟シンガポール(以下、新潟S)から加入したFW河田篤秀。セレッソU-15出身の“セレッソOB”だ。
 セレッソU-15の同期に杉本健勇がいる河田は、トップ昇格の夢こそかなわなかったが、阪南大学高校、阪南大学を経て、2年前に新潟Sに加入。昨シーズンは左右両足からの強烈なシュートで新潟Sの年間3冠に貢献するとともに、シンガポールリーグMVPにも選出された。

 実績とともに新潟入りした河田だが、「J1は簡単に通用するリーグではないと思っている」と、一からこつこつと積み上げる日々を送る。とはいえ、シーズンのスケジュールが発表された時には、やはりセレッソ戦を真っ先にチェック、最初の対戦となる明日のルヴァンカップに照準を合わせてきた。ルヴァンカップ前節の横浜FM戦で、6分間のみだが途中出場してJリーグ・デビュー。今週のトレーニングでは、新潟ではタフでハードなプレーが身上のDF西村竜馬が、河田の強烈な右足シュートを顔面に受けて“KO”されるほど。調子を上げている。

 河田の明日のメンバー入りは、ほぼ間違いない。果たして、故郷に錦を飾るパフォーマンスを見せることができるか。リスタートを切ったチームにとっても、新たな孝行息子の出現は、なにより大きな力になる。

文・大中祐二