5月20日(土)2017明治安田生命J1リーグ第12節
大宮アルディージャ - セレッソ大阪 (16:00KICK OFF/NACK)
試合写真・コメントなど チケット
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 結果を見ればわかるとおり、今季の大宮アルディージャは苦しんできた。昨季はクラブ史上最高のJ1リーグで年間5位という成績を収めたものの、今季は開幕から第8節まで未勝利(1分7敗)。第9節のさいたまダービー(浦和レッズ戦)で1-0の勝利を収めながら、第10節・コンサドーレ札幌戦では0-1の敗戦を喫し、ルヴァンカップも含めて公式戦3連敗となってしまった。

 風向きが変わり始めたのは、前節・ベガルタ仙台戦だ。さいたまダービーでは浦和・興梠慎三にマンマークを付け、札幌戦では5バックの守備を採用するなど変化を加えていたが、仙台戦では自分たちが長く取り組んできた4バックとシンプルなゾーンディフェンス、攻撃のシステムに回帰。立ち返る場所を明確にして戦い、2-1の逆転勝利で最下位脱出に成功した(現在16位)。
“本来の形”に戻して上昇のきっかけをつかみ始めた大宮にとって、今節のセレッソ大阪戦は取り戻しつつある自信を確たるものにするためにも非常に重要な一戦だ。6位のセレッソを相手に、自分たちの拠りどころとすべき戦い方が通用すれば、今後のリーグ戦に向けても大きな手ごたえを得ることができるだろう。

 渋谷洋樹監督は「前向きにさせたら個人の能力は高い。リーグ屈指だと思います」とセレッソを分析し、前線のタレントに良い形でボールを配給させないことに力点を置いてトレーニングを行っている。中でも警戒を強めるのは、前線にコンバートされて存在感を発揮している山村和也だ。
「柿谷曜一朗、杉本健勇、清武弘嗣、山口蛍、ソウザの5選手は、黙っていてもそれなりにできると思っていましたけど、そこで山村選手があれだけできるというのは、攻守において非常に重要なポイントになっている」
 セレッソのディフェンスラインにアグレッシブなプレッシャーを掛け、思うようなビルドアップをさせない。そのポイントを抑えることができれば、大宮は狙いどおりに試合を運んでいると見ていいだろう。

 大宮の前線を牽引する江坂任は「まだ2勝して最下位を脱出しただけで降格圏。今節で勝たないと、チームの雰囲気も『またか…』ってなると思う。セレッソは調子がいいですけど、うちにはこのセレッソ戦が本当に重要」と今節の重要性を強調する。大宮にとって今後の浮沈を左右する一戦。試合開始からフルスロットルで攻守にパワーを掛けていく。

 文・片村光博