6月28日(水)JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフ第1戦
北海道コンサドーレ札幌 - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/札幌ド)
試合写真・コメントなど チケット
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 ここ最近の札幌の状況は、残念ながらあまり芳しいとは言えない。25日のJ1リーグ戦第16節で柏に敗れて6連敗。好機を決めきれない、あるいは一瞬の隙から失点をしてしまうという、詰めの部分での甘さを完全に露呈し続け、敗戦を重ねてしまっている。

 それだけに、このセレッソとのルヴァンカップ プレーオフステージにかける意気込みは強い。この大会で1つでも上のラウンドに進みたいという意欲は当然のことながら、ここでいい結果を残すことでチーム全体としてのいい流れを生み出したいからだ。実際に多くの選手が「ただ結果を残すだけでなく、リーグ戦にもつながるような勢いを生み出す試合をしたい」と、より強い意欲でこの試合への意気込みを明かしてくれている。

 そして、この第1戦を戦うにあたり、あらためて焦点となるのが札幌のホームでの開催という部分だ。現在でこそリーグ戦連敗中という不調に苦しんでおり、この間にホームで2つの黒星を喫しているものの、序盤はホームゲームで5戦連続無敗という時期もあり、そこで勝点を積み上げていた。この第1戦を契機に「ホームで強い札幌」を思い出し、チームが勢いづく可能性も大いに秘めている。

 チームの戦い方としては、リーグ戦第3節 で対戦したセレッソ戦(@札幌ド、1-1)と大きくは変わらない。相手ボール時には全員が帰陣し、スペースを埋めた上でハードワークをして膠着した状態を作り出す。そうした上で素早いカウンター攻撃を繰り出し、都倉賢、金園英学ら脚力のあるFWが相手ゴールを強襲するというやり方だ。昨シーズンもJ2で対戦しているだけに、ほとんどのセレッソサポーターにはしっかりとイメージができていることだろう。
 2試合合計でハッキリと明暗が分かれるこのシビアなプレーオフステージでは、その堅い戦いがより一層、強調されるはずだ。

 また、この一戦に強い意欲を燃やすのが、セレッソ戦では毎度のことながらGKク ソンユンである。「セレッソを離れてから、すでに何度も対戦はしているが、やはりこうしたノックアウト方式のシチュエーションで戦うとなると特別な心境になる」。そして試合前日の27日はクの23回目の誕生日。「しっかりゴールを守って、勝利を自分への誕生日プレゼントにしたい。プレゼントは自分次第で掴めるだろうし、そしてその相手がセレッソというのも本当に光栄なことだし、気持ちが高まる」とも続けている。
 齢18歳で韓国を離れてセレッソに加わった若き守護神も、この試合当日は23歳。前出のコメントも通訳なしで、すべて自身の口から日本語で発したものである。勝敗ももちろん興味深いところだが、1人の選手のストーリーの1ページになっているという意味でも、胸が熱くなる一戦だ。

文・斉藤宏則