7月22日(土)2017明治安田生命J1リーグ第22節
セレッソ大阪 - 浦和レッズ (19:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 他の2017明治安田生命J1リーグ第22節は、8月13日(日)に行われるが、昨年のルヴァンカップ王者・浦和が「スルガ銀行チャンピオンシップ(8/15・火・vsシャペコエンセ)」を戦うために、サマーブレイク中に行われることになった、この試合。
 セレッソとの一戦は、浦和レッズが後半戦で最初に迎える大きな山場と言っていい。
 リーグ戦18試合を終えて首位に立つセレッソと、8位・浦和との勝点差は9ポイント。もし、この直接対決を落としてしまえば、その隔たりは12ポイントにも広がり、リーグ制覇への道のりは困難を極めてしまう。逆に、白星でその差を6ポイントに縮めることができれば、低迷から脱しようとしている浦和にとっては、これ以上ない起爆剤となる。選手たちが口々に「重要な一戦」と話したように、セレッソ戦は浦和の今後を占うターニングポイントになるだろう。

 非常に厳しい戦いになるのは間違いない。浦和は6月に入って調子を大きく崩し、前節・新潟戦を迎える前まで1勝4敗と苦境に陥っていた。その唯一の勝利を挙げた広島戦(第17節)も、負けていてもおかしくない内容で、チームには5連敗を喫したかのような重い空気が立ち込めていた。

 しかし、前節からようやく浮上の兆しが見えてきた。2点リードから一時は逆転されてしまった広島戦とは対照的に、新潟戦はビハインドを跳ね返しての逆転勝利だった。同じ勝点3でも、相手にひっくり返されそうになった試合と、逆境を跳ね返した試合とでは、選手たちの心の持ちようが変わってくる。
 試合運びに危うさが内包するのは相変わらずだが、泥沼状態で迎えた一戦でリードを奪われるという最悪の展開から逆転できたことは、選手たちにとって大きな自信になったはずだ。

 また、サマーブレイク中に対戦したドルトムントとの親善試合(●2-3)も大きな刺激となった。相手はシーズンオフ、来日2日目で臨んだ試合ということでコンディションは明らかに良くなかったが、それでも浦和独特の攻撃が相手の混乱を誘っていたことは選手たちの自信回復に寄与した。
 ただ、浦和低迷の大きな要因となった不安定な守備は、まだ改善の途上にある。今の時期にセレッソとぶつかるのは、正直、浦和にとってかなり厳しい巡り合わせだ。浦和はポゼッション率で相手を上回ることが多いが、不調の時ほど不用意なボールロストも多く、そうするとただでさえ問題を抱えている守備で、より難しい状況を乗り切らなければいけなくなる。そういった展開だと、前線に優れたタレントを擁するチームが相手の時ほど失点を喫する確率が高くなってしまうが、まさにセレッソはそういうタイプのチームである。また、セレッソは攻守の素早い切り替えから迫力のある攻撃を仕掛けるのが得意なチームだけに、浦和にとっては一層やっかいな難敵だ。

 ホームで迎えた第2節 では、3-1の勝利を収めることができたが、当時と今では状況が大きく違う。当時のセレッソはまだチームが固まっていない段階だった。飛躍を遂げる要因となったトップ下・山村和也のスタイルもでき上がっていなかった。宇賀神友弥も「リーグ戦の前半で戦ったセレッソとは違う。当時は監督も替わったばかりだったし、やりたいこともまだ見えていなかったと思う。今は監督がやりたいサッカーを落とし込んでいるからこそ首位という順位にいる」と、当時とは別のチームと見ている。

 セレッソは攻撃が手詰まりになりそうだったら、前線の杉本健勇や山村にシンプルにボールを入れて攻撃を仕掛ける形もあるが、そのパターンも怖い。今の浦和の守備では、一発のパスを通されてしまうことも珍しくないからだ。これまでと同じような守備対応をしていては、セレッソに痛い目に合わされる可能性が高い。明るい未来を見たければ、泥水を啜る覚悟で懸命に戦うしかない。

文・神谷正明