9月23日(土・祝)2017明治安田生命J1リーグ第27節
セレッソ大阪 - ベガルタ仙台 (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 ユアテックスタジアム仙台で行われた2017明治安田J1リーグ第16節 の対戦で、仙台はセレッソ大阪に2-4と敗戦。打ち合いの末に黒星を喫した仙台は、あれからの約3カ月間で変化と成長を遂げ、借りを返そうとしている。

 最も大きな変化は守備だ。セレッソとの前回対戦時には、2点を先行されて試合を苦しくしてしまった。しかし現在の仙台は攻勢時にも背後に対する備えを整備しており、最近では3バックの中央に大岩一貴を配置。両脇には、対人守備とボール奪取後のフィード能力を兼備する平岡康裕、椎橋慧也、増嶋竜也の中からチョイスされたDFが配置される。前節も、FC東京の強力攻撃陣相手に流れの中での決定機をほとんど許さなかった。しかし、セットプレーからの1失点が決勝点となり、大岩は「結果を出してこそ成長したと言える」と気を引き締め直した。杉本健勇らタレントぞろいのセレッソ攻撃陣相手に、大岩やGKシュミット ダニエルといったセンターラインの守備陣が壁とフィルターを構築できるかがカギとなる。

 攻撃面については、まず第16節・セレッソ戦での2ゴールを、可能な方はその起点から見直してほしい。1点目は自陣から14本、2点目は11本のパスをつないで、強固だったセレッソの守備組織を崩した。多人数が相手に先んじて走りながらポジションを取り、サイドでも中央でも相手守備陣を揺さぶるかたちで、仙台はあの時を上回るゴール数を狙っている。意表を突くスルーパスで2点目をアシストしたクリスランは「セレッソのDFは2人とも強かったけれど、あのプレーのように相手の考えていないような攻撃をしたい」と、今節も攻略を狙う。
 この攻撃に、今夏加入の選手たちが新たな武器を加えていることも大きい。右サイドの古林将太はサイドをえぐって多様なクロスを送り込むことが得意。また、シャドーで先発の座をつかんだ野津田岳人は、左足から繰り出すスルーパスやミドルシュートで相手ゴールを襲う。また、この野津田は最近の2節連続でJ1トップの走行距離を記録しているように、相手の危険なところに顔を出そうと走り回っている。こうした“新兵器”を組み込んで、攻撃面でもバージョンアップを果たしたところを、2014年以来となるキンチョウスタジアムでのゲームで見せたいところだ。

 懸念材料は、ボランチでキャプテンの富田晋伍が、前節から約8週間の長期離脱を余儀なくされていること。しかし、過去のリーグ戦におけるセレッソ戦で5点(J2で3点、J1で2点)を記録している梁勇基が「難しい試合になるとは思いますが、そういうチームに勝ってこそ上にいける」と言葉に力を込めるように、代わってチャンスをつかむ選手たちがバランスを整備し、セレッソに襲いかかろうとしている。

文・板垣晴朗