10月25日(水)第97回天皇杯準々決勝
セレッソ大阪 - 大宮アルディージャ (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 直後にリーグ戦での同じ対戦(10/29・日・金鳥スタ)を控えての天皇杯準々決勝に向けて、大宮アルディージャ・伊藤彰監督は「セレッソもすごく過密日程で、天皇杯、リーグ戦、ルヴァンカップとあるので、お互いがどういう戦い方をするのかは探り合いながらになります」と展望する。メンバーを含めて互いの出方が読みづらい中での一戦になるが、大宮としての臨み方自体は明確だ。

 まず、ファースト・プライオリティーが残留争い中のJ1リーグ戦にあることは大前提。その上で、天皇杯でも当然勝利を狙いつつ、リーグ戦に向けてのプラスαを手に入れることも視野に入れていく。
 大宮にとってのプラスαとは、ここ最近のリーグ戦で見せている“安定した守備と素早い攻撃“の発展と向上、そして伊藤監督が就任当初からトライしてきた“イニシアチブを取った試合運び”の融合という点に尽きる。直近のリーグ戦は3試合連続ドロー(清水・横浜FM・柏)と勝点1は積み上げられるようになってきただけに、出場機会の少ない選手たちの出場も見込まれる天皇杯では、自分たちから仕掛けて得点を奪い切るというトライがポイントになる。

“対セレッソ”という意味では、相手がどのようなメンバーであっても個人の能力に優れているという点に対しての警戒が強い。リーグ戦前節・柏戦で久しぶりの戦列復帰を果たし、今回の試合にも出場濃厚な瀬川祐輔は「守備が堅いというか、前に強いというイメージがあります。個人個人の能力が非常に高くて、前には調子の良いFWがいる。杉本健勇選手もいますし、相手のキーマンを自分たちがどれだけつぶせるかが大事になってくる」とセレッソ戦を展望した。
「個では勝てない部分も絶対に出てくるので、組織としてしっかりとした守備をして戦えれば、チャンスは絶対に何回か作れると思っています」と瀬川は続ける。個人に依存するのではなく組織として対抗しながら、試合の流れの中で前述のようにイニシアチブを取って戦える時間帯も作っていくことが、大宮にとって最大のテーマになるだろう。

 セレッソとの戦いのイメージをより具体的につかみ、直後のリーグ戦に生かすという側面もあるが、それはあくまで後から付いてくるもの。チームとして前進していくためにも、メンバーにかかわらず内容面にもトライしながら、勝利と準決勝進出という結果の両者を追い求めていく。

文・片村光博