10月29日(日)2017明治安田生命J1リーグ第31節
セレッソ大阪 - 大宮アルディージャ (16:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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25日(水)の天皇杯準々決勝 の対戦から中3日。セレッソ大阪にとっても同様だと思われるが、アウェイでの連戦となる大宮アルディージャにとって、難しい2試合になっている。天皇杯とは違ったメンバーの先発が予想される一方、手ごたえを得た部分は継続しながらの戦いになる可能性が高い。

 リーグ戦ではここ数試合、堅実な[4-4-2]の守備からの速攻によってしぶとく勝点1を拾ってきている大宮。残り試合数が少なくなり、順位的(現在降格圏内の17位)にも勝点3を重ねていくしかない大宮は、より攻撃的なプレーへのシフトも必要になってくる。

 天皇杯では自分たちからイニシアチブを取る戦いにトライした。
「リーグ戦の前節、前々節としっかり守ってカウンターというところや、速い攻撃というところは少し形になってきたというところもありますので、それにプラスαとしてゲームのイニシアチブを取って自分たちの時間を作るというところでは、今日のゲームで選手がすごくやってくれたかなと思っています」
 伊藤彰監督がそう振り返ったように、ボールを握る時間帯を増やすことには成功した。ゴールに向かう怖さという点では、瀬川祐輔が投入されるまでは不足していた感は否めないが、リーグ戦のメンバーにはマテウスや江坂任といったアグレッシブさのある選手たちが存在するだけに、解消可能な課題と見ていい。

 ただ、2失点に関しては反省と検証が不可欠。いずれもシンプルなクロスからの失点であり、ボール保持者へのプレッシャーが甘かったことは指揮官も認めている。セレッソとのリーグ戦の前回対戦(第12節)でもクロスから失点しており、メンバーによる違いとも言い難いだけに、各選手が高い意識を持って改善に取り組まなければならないだろう。3回にわたって同じやられ方をするわけにはいかない。

 もちろん実際にリーグ戦のピッチに立てば、天皇杯以上のプレッシャーと勝利への義務感から、より堅い試合運びになることは容易に想像できる。しかし、それは両者に言えること。セレッソが攻守のプレー強度を高めてくることまで想定し、大宮としてはそれを上回るだけの準備で応えなければ勝利はおぼつかない。
 まずはセレッソの強力攻撃陣を抑え込み、速攻に転じて得点を奪う、あるいは余裕のあるときにイニシアチブを取って時間を進めること。それが大宮の狙うゲーム運びになるだろう。

文・ 片村光博