12月23日(土・祝)第97回天皇杯準決勝
ヴィッセル神戸 - セレッソ大阪 (13:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 ルヴァンカップを含め、今度の天皇杯準決勝で今季4度目の対戦となる。過去3度はすべてセレッソが勝利しており、神戸にとっては相性が悪いという言葉では片付けられない結果となっている。しかも、今回はケガの治療で一時帰国したルーカス ポドルスキが今週になっても戻ってこないという事態に…。

 とはいえ、神戸のチーム状態が悪いわけではない。リーグ戦ラスト3試合を欠場していた守護神キム スンギュが先週からすでに合流。センターバック岩波拓也は「まだ2試合(天皇杯準決勝、決勝)残っているので、なんとかサポーターを喜ばせたい」と気合いを見せる。
 サガン鳥栖時代にセレッソの尹晶煥監督と共に戦った経験のあるボランチ藤田直之も「ユンさんをリスペクトしている。でも、1シーズンにタイトル2つは獲らせすぎ(笑)。今度は勝ちます」と話す。

 チームとしてもポドルスキの負傷欠場を想定してか、先週の時点で渡邉千真を1トップに置いた4-3-3を試している。藤田、高橋秀人、松下佳貴のボランチ3枚をほぼフラットに配置し、セレッソの中盤のパスワークを限定するとともに、両サイドバックの攻め上がりをカバーする狙いがあると考えられる。

 セレッソの良さを消した上で、ポイントになるのが追加点だ。
 11月26日のJ1リーグ戦第33節 では11分に藤田のロングスローから最後は渡邉が決めて先制に成功した。だが、その後に何度か訪れたチャンスを決めきれず。逆に前半終了間際に杉本健勇に決められ、そのまま流れを持っていかれている。
 この試合を含め、リーグ戦ラスト3試合は同じように追加点を奪えずに失速する展開を繰り返している神戸。天皇杯準決勝のセレッソ戦も、先制点はもちろん、追加点が大きなポイントになるに違いない。

 そこで注目したいのは渡邊だ。リーグ戦ラスト3試合で毎試合ゴールを挙げているだけではなく、3度の対セレッソ戦でゴール(2得点)を決めている唯一の選手でもある。渡邊がセレッソキラーになれるかどうかが天皇杯ファイナル進出への生命線になる

文・白井邦彦