2月25日(日)2018明治安田生命J1リーグ 第1節
セレッソ大阪 - 横浜F・マリノス (16:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 開幕3日前の異例のオフは、余裕の表れなのだろうか…。横浜F・マリノスは2月22日にトレーニングを行わなかった。「残り2日で強度の高い練習を行う」としており、開幕後も見越してのことなのか。また、開幕戦の先発メンバーについても「前日に決めたい」と、アンジェ ポステコグルー新監督は煙に巻く。この前オーストラリア代表監督は、今のところ掴みどころがない印象を受ける。ただし、ブレない信念を持っているのは間違いない。

 それは、標榜する「アタッキングサッカー」を植え付けること。昨季まで守備ラインを下げるリアクションサッカーが堅守を築くベースとなっていた横浜FM。これを抜本的に変えてラインを高めに設定し、前からボールを奪い、前線に人数をかけてショートパス主体にボール支配率を高めるサッカーを目指している。

 ただし、改革は1日にしてならず。1月から始動したばかりで、当然すぐに成果が出るものではない。ようやく形となって表れたのが、今季初のJ1クラブとの試合となった、2月17日のFC東京とのプレシーズンマッチだ(結果は0-1で敗戦)。
「負けてしまったけれど自分たちが押し込む時間が多かったし、自分たちのサッカーはある程度できていた。監督が掲げているアタッキングサッカーをする中で、今日も何回か侵入していく場面も作れたし、相手よりもポゼッション率も上回っていると思うので、そこは手ごたえを感じている」(天野純)。とはいえ、指揮官は理想のサッカーが浸透するには「まだ時間はかかると思いますが、しっかり落とし込んでいきたいです」と語る。

 発展途上のチームが開幕で、天皇杯やルヴァンカップを含めて昨季4戦全敗を喫した“天敵・セレッソ大阪”と再戦する。プラスに考えれば、指揮官も戦術もリニューアルされ、新鮮な気持ちで臨める一戦。また、元日の天皇杯決勝後には「力負けした」「セレッソはいいチームだった」と、横浜FMの選手たちからは素直に実力差を認めたコメントが多かっただけに、挑戦者の気持ちで挑み、若手主体のチームに躍動感を呼び込めるだろう。
 一方で、未完の攻撃的なサッカーはリスクを伴う。守備が崩壊して、大敗を喫するなんてことも…。果たしてどちらに転ぶのか。トリコロール軍団は、例年以上にハラハラドキドキの開幕を迎える。

文・小林智明(インサイド)