3月10日(土)2018明治安田生命J1リーグ 第3節
柏レイソル - セレッソ大阪 (15:00KICK OFF/三協F柏)
試合写真・コメントなど チケット
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 3月6日、柏はホームでAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージMD3を戦い、香港の傑志を1-0で下して大会初勝利を挙げた。

 今季の序盤戦、柏は良い滑り出しとはいかなかった。ACLでは全北現代(●3-2)、天津権健(△1-1)を相手に1分1敗、J1リーグ開幕戦の仙台戦も相手の術中にハマり、0-1と黒星発進となった。
 しかし細貝萌、小泉慶、パク ジョンスらが今季初スタメンで出場した前節の横浜FM戦は苦しみながらも2-0で勝点3を手にし、冒頭で述べたとおり中3日で行われたACLの傑志戦でも勝利を収め、公式戦連勝。徐々にだが状態は上向きにある。
 傑志戦では、週末のセレッソ戦に備えるために横浜FM戦からスタメン7人を入れ替えた。傑志戦でベンチスタートだったクリスティアーノ、伊東純也、江坂任は、万全の状態でセレッソを迎え撃つ準備を進める。

 昨季、セレッソとの直接対決は1勝1敗と五分。ただ、下平隆宏監督は「昨年より守備がよりオーガナイズされている。一段階アップしている印象。昨年と今年の試合の映像を見比べても、力は上がっていると思う」とセレッソの成熟度を高く評価し、警戒の意を強める。ここ数試合における柏の不振の原因はフィニッシュの精度決不足にあった。それだけに柏にとっては、セレッソはより難しい相手になることは間違いない。

 今回のセレッソ戦を迎えるにあたり、特に対戦を心待ちにしている2人の選手がいる。1人が古巣対戦となるキム ボギョン、そしてもう1人が、天皇杯決勝で横浜FMの選手としてセレッソと対戦し、涙を飲んだパク ジョンスだ。
「セレッソはもともと自分がいたチームなので、ドキドキしますし非常に楽しみです。僕がいたときよりも選手は技術的に向上していますし、チームとしても戦術が洗練されている印象です。それでセレッソが今、良い成績を収めているんだと思います。彼らは中央を締めてコンパクトに守備をしてきますが、我々は前線にスピードのある選手が揃っているので、彼らを生かした攻撃で得点を狙っていきたい」(キム ボギョン)

「僕は、F・マリノスにいた昨シーズンはセレッソに1度も勝てませんでした。その時の悔しい思いがあるので、セレッソに必ず勝ちたい。セレッソは非常に良いチームで、ボールを持てて守備も堅い。その中で杉本健勇選手は特に警戒しています。自分がもし出るのなら、杉本選手を抑えて、無失点に抑えることができれば攻撃陣が点を取ってくれると思いますし、チームの勝利のために全力を尽くします」(パク ジョンス)

 監督と選手が“強者”と認めるセレッソだからこそ、柏がここで連勝できれば一気に波に乗る可能性がある。事実、昨季の第10節 の対戦ではセレッソと拮抗した勝負を1-0でモノにし、勢いに乗った柏の連勝は最終的に8まで伸びた。
 今季の柏がアジアの舞台で戦えるのは、セレッソが昨年度の天皇杯で優勝し、リーグ4位だった柏に繰り上がりでプレーオフへ進むチャンスを与えてくれたからである。そこに感謝の念と、カップ2冠王者へのリスペクトを抱き、柏はセレッソをホームに迎え入れる。

文・鈴木潤