4月25日(水)2018明治安田生命J1リーグ 第10節
セレッソ大阪 - ベガルタ仙台 (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 J2時代から数々の名勝負を繰り広げてきた、セレッソ大阪とベガルタ仙台。今回は勝点15で並ぶ5位(セレッソ)と6位(仙台)の直接対決として、J1第10節の対戦を迎える。ともに昨季から継続したチーム作りを進めている中で、成長が問われる一戦でもある。

 昨季のJ1第27節 以来となるキンチョウスタジアムに乗りこむ仙台は、当時より戦術を浸透させ、選手層も厚くして勝利を目指す。2014年4月よりチームを率いる渡邉晋監督は、毎年地道にチーム力を積み上げているが、特に昨季は基本フォーメーションを3-4-2-1に変えることにより、攻守の組織的な動きを大幅に円滑化した。ボール保持の質を高め、奪われても相手陣内での奪還を最優先する方針だが、「それがうまくいかないときにもどうするか、その徹底も忘れてはいけない」(渡邉監督)とも心している。たとえば、昨季J1第27節の対戦でも、セレッソに20本ものシュートを打たれながら、勝負どころで得点を重ねて1-4で勝利した。

 今季もここまで苦しい展開も経験してきた仙台だが、それでも4勝3分2敗と、まずまずの成績で9試合を終えている。その要因が、戦術の幅を広げていることだ。相手によって基本フォーメーションを3-5-2などに変えても、スムーズに連動することができるようになった。試合中に状況を見て自然にかたちを変えることも可能になっており、先発のフォーメーションが3-4-2-1なのか3-5-2なのか、試合前の予想に頭を悩ませるのが番記者の恒例行事にもなりつつある。
 この戦術を実践できる選手が増えたことが、もう1つ昨季から成長した点だ。昨季のJリーグYBCルヴァンカップで経験を積んだ西村拓真や椎橋慧也ら若手選手が成長。さらに、今季は戦術に合致した新戦力が多く加入した。一時はケガで離脱していた板倉滉も、前節に戦線復帰。「今まで休んでいた分もチームに貢献したい」と、セレッソ戦でも活躍を誓う。

 そしてここに、4月10日、セレッソサポーターにもお馴染みで、仙台サポーターにはもっとお馴染みの関口訓充が加わった。
「自分にとって3年間一緒にやってきたセレッソの仲間たちとの対戦ということもあるし、感謝の気持ちが強いクラブ。そういった思いはあるけれども、自分としては仙台のために全力を尽くすだけ」
 様々な経験を積んで仙台に戻って来た関口は、「キンチョウスタジアムはたくさんの思い出があって、自分にとって大切なスタジアムの1つ」というピッチに立つことができるか。勝負同様、これもまた楽しみな点だ。好試合を期待したい。

文・板垣晴朗