6月26日(日)2016明治安田生命J2リーグ第20節
セレッソ大阪 1-0 東京ヴェルディ (19:04/金鳥スタ/10,171人)
試合写真・コメントなど
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 明治安田生命J2リーグ戦の6月最後の試合となった第20節は、前節同様、キンチョウスタジアムでのホームゲームとなったセレッソ大阪。昨シーズン、最後までJ1昇格プレーオフ入りを争った東京ヴェルディと対戦した。この一戦では、ブルーノ メネゲウが累積警告のため出場停止。負傷離脱中の柿谷曜一朗と並んで今季5ゴールを決めている10番に替わって、玉田圭司が今季初先発した。また、開幕からセレッソ大阪U-23にてプレーしてきた丸岡満がトップチームでは初めて登録メンバー18人に加わり、ケガから復帰した田代有三とともに、ベンチ入りした。

 試合は、開始2分、セレッソが東京Vに初めて許したコーナーキックからピンチを迎える。それでも、ドウグラス ヴィエイラのヘディングシュート、そしてこぼれ球に素早く反応した中後雅喜のシュートを立て続けにセーブしたのが、GKキム ジンヒョン。8分の安西幸輝のシュートにも対応するなど、今節もキャプテンマークを巻いた桜の絶対的守護神の好守で序盤の嫌な流れを断ち切り、相手に先制点を与えない。

 すると、次第に落ち着きを取り戻したセレッソも18分、この日、サポーターからの大声援を受けていた玉田が直接フリーキックを狙う。これはわずかに枠外に逸れるが、昨年のチームトップスコアラーでもある頼もしきレフティを中心に主導権を握る時間を増やしていくと、30分以降は、清原翔平、ソウザ、丸橋祐介、リカルド サントスと、決定機を迎え続けた。ただし、シュートをなかなか決めきれず、前半はスコアレスで折り返す。

 後半の最初も、自陣ペナルティーエリア手前で相手にフリーキックを献上するなど、決して入り方はよくなかったが、難を逃れると、53分、歓喜の瞬間がセレッソに訪れる。丸橋の左サイドからのロングスローが右サイドにいた清原のところに流れると、清原の折り返しを受けたソウザが相手のプレッシャーを受けながら、ふわりとしたクロス気味のラストパスを出す。これに反応したのが、リカルド サントス。この試合で相手DFとの競り合いをことごとく制するなど、前線で圧力をかけ続けた11番が、ヘディングシュートを合わせると、ボールはGKも反応できない絶妙なコースに進み、ゴールに吸い込まれた。ホーム初ゴールを決めたリカルド サントスは、すぐさま熱い声援を送ってくれるサポーターのいるゴール裏へ駆け寄り、喜びを爆発させた。

 これで5試合連続での先制点となったセレッソ。最近では残り30分の戦いを課題としていたが、この試合でも1点をリードしたあと、すぐに相手の反撃を許してしまう。それでも、藤本康太や澤上竜二を投入してチームに活力をつけ、古巣対決となった杉本健勇をはじめ全体で粘り強く対応。松田陸や清原のミドルシュートで相手ゴールを脅かすなど、前節の反省を生かして下がりすぎず、相手を押し返していく。さらに86分に田代を送り込むと、16試合ぶりの出場となった19番も試合の締めくくりに貢献。チームとして追加点を奪いきれない反省点も残ったとはいえ、1-0のまま勝ちきり、今季2度目の4連勝で、勝点を試合数のちょうど2倍となる40に伸ばし、6月をいい形で終えることができた。

「結果と内容についても、徐々に(よさが)ついてきつつある。今日みたいな試合をすれば、これからもずっと勝ちをたぐり寄せられると思うので、続けていきたい」と言うのは松田。ホームでは第3節・ザスパクサツ群馬戦以来となる無失点勝利を達成できたのも、今後につながることだ。
長崎のアウェイ(第17節)で追いつかれて、ヤス(木本恭生)がアディショナルタイムで点を取ってくれたところからつないだ4連勝。あれでチームが前を向くことができた。今日はヤスもブルーノ(メネゲウ)もいなかったが、みんなで同じ方向を向いて1つひとつ勝つことが大事。次は前半戦のラストなので、しっかり勝って5連勝にしたい。そして札幌戦へ(7/9・土・金鳥スタ)というイメージはある」と田中裕介も言うように、首位の座をつかんでJ1昇格へ進むためにも、桜色の戦士たちはチーム一丸となって、これからも勝利へと走り続ける。

文・前田敏勝