3月11日(土)2017明治安田生命J1リーグ第3節
北海道コンサドーレ札幌 1-1 セレッソ大阪 (15:06/札幌ド/21,760人)
試合写真・コメントなど
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 今季初勝利を懸けて北海道コンサドーレ札幌のホーム、札幌ドームに乗り込んだセレッソ大阪。先発は、前節の浦和レッズ戦から2人を変更。丸岡満と関口訓充に代わり、山村和也と、この試合がセレッソ復帰戦となった清武弘嗣が2列目に入った。

 試合は、ファーストシュートこそ開始2分、都倉賢のヘディングだったが、以降はセレッソがボールを握ると、13分、杉本健勇が獲得したFKをソウザが蹴り、マテイ ヨニッチがヘディングで合わせてセレッソが先制した。ソウザからマテイ ヨニッチのホットラインは、前節に続き2試合連続。「ソウザ選手からのクロスがバッチリで、すごくいいボールでした。質が高いので、私は合わせただけでした」と謙虚に語ったマテイ ヨニッチは、守備でも大きく貢献。クロス中心の札幌の攻撃を山下達也とともに真ん中で跳ね返し続けた。得点後は札幌の攻撃を受ける場面も目立ったセレッソだが、前半で唯一、札幌に与えた23分の決定的なシュートも山口蛍が無人のゴールをカバー。事なきを得た。44分には丸橋祐介が果敢な突破からクロスを上げ、清武がファーサイドからヘディングで合わせて2点目のチャンスを迎えるも、ここは札幌GKク ソンユンに止められた。

 後半、最初の決定機は札幌に訪れる。58分、福森晃斗の直接FKがセレッソゴールを襲うも、前節に続いてキム ジンヒョンに代わってゴールマウスを守る丹野研太がビッグセーブでゴールを割らせない。その後、札幌の四方田修平監督は63分に2枚同時替えを敢行すると、67分には早くも3枚目の交代枠を使い切り、システムもより攻撃的に変えた。すると、73分だった。内村圭宏のクロスを都倉にヘディングで決められ、同点に追いつかれた。直後、ホームの大声援に後押しされた札幌の攻撃を立て続けに受けるも、セレッソの選手たちはゴール前で懸命に体を張って、しのいだ。

 79分、尹晶煥監督は山村に代えて、北海道出身の清原翔平を投入。清武を中央に移すと、直後の80分、清武にビッグチャンスが訪れた。松田陸のマイナスのパスを山口がダイレクトでDFの裏へ送ると、絶妙なタイミングで飛び出した清武がボレーシュート。流れの中から迎えたこの試合、最大の決定機だったが、枠を捉えることができず、バーの上へ。山口と清武の阿吽の呼吸で作り出した素晴らしいプレーだったが、惜しくもゴールとはならなかった。1-1で迎えた試合終盤は互いに勝点3を目指して最後まで攻め合う白熱した攻防が展開されたが、決勝点は生まれず、双方に勝点1が加わる結果となった。

 試合後、チーム最多の3本のシュートを放って攻撃を引っ張った清武は、「引き分けという結果になって残念ですし、(自分に)責任があるとも思います。結果的に3回チャンスがあって、すべて外して、すごく申し訳ない気持ちです。守備陣は耐えてくれる時間も多かったので、攻撃陣がしっかり点を決めないといけない試合でした」と悔しげにセレッソでの復帰初戦を振り返った。勝利を逃した責任を背負った形となったが、過去2試合に比べると、清武が先発した今節は、「攻撃の組み立てもできて、攻撃のバリエーションやパターンは増えた」(山口)ことは間違いない。勝点3を狙った試合で勝点1に終わったことで、試合後の監督、選手に笑顔はなかったが、守備陣は試合終盤まで札幌の猛攻をしのぎ、山村と清武を組み込んだ新たな攻撃陣にも今後の期待を抱かせた。一歩一歩、前進を続け、ホームで迎える次節のサガン鳥栖戦で、今季初勝利を目指す。

文・小田尚史