4月12日(水)JリーグYBCルヴァンカップ第2節
ヴァンフォーレ甲府 0-0 セレッソ大阪 (19:04/中銀スタ/5,257人)
試合写真・コメントなど
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 公式戦4連勝中と勢いに乗る状態で迎えた『JリーグYBCルヴァンカップ』グループステージ第2節のヴァンフォーレ甲府戦。セレッソ大阪の尹晶煥監督は、直前のJ1第6節の鹿島アントラーズ戦 の試合後に「この前(ルヴァンカップ第1節の横浜F・マリノス戦 )は、いい試合を見せることができたので、もう1回、その選手たちにチャンスを与えたい」と話していた通り、鹿島戦からGKキム ジンヒョンと木本恭生を除く先発9人を入れ替えて試合に臨んだ。
 水沼宏太は、試合途中に負傷交代したリーグ開幕戦以来となる公式戦での先発。この試合が復帰戦となった。またベンチには、トップチームの試合では初の帯同となった岸本武流と、出場すればトップチームでは初となる西本雅崇も入るなど、フレッシュな陣容でこの試合を迎えた。

 試合は、序盤からセレッソがペースを握る。長いボールやクロスなどシンプルな攻撃で甲府陣内に攻め入る。7分に秋山大地のパスからDFラインの裏に抜け出したリカルド サントスがシュートを放てば、9分には田中裕介のクロスを丸岡満がヘディングで合わせてゴールを狙う。いずれも枠を捉えることはできなかったが、その後も舩木翔のフィードなどでチャンスをうかがう展開が続いた。甲府の守備ブロックを崩すには至らず、決定機を生み出すことはできなかったが、手堅い守備はこの試合でも健在。1度だけ、23分にクロスから決定的なピンチも招いたが、甲府・熊谷駿のヘディングは枠を逸れて事なきを得た。

 互いに相手の守備を崩せないまま0-0で折り返した後半は、甲府の攻撃のテンポが上がり、セレッソは守勢に回る時間も増える。55分には、かつてセレッソでもプレーしていた黒木聖仁がゴール前でドリブル突破、DFが防いでこぼれたボールから河本明人が決定機を迎えたが、ファーサイドへ狙いすましたシュートはわずかに枠を外れた。68分には再び河本にゴール前でシュートを打たれるも、ここは庄司朋乃也がヘディングでクリアした。

 甲府の攻勢が続く展開に尹晶煥監督もテコ入れを図る。62分、清原翔平に代えて、「チャンスをもらえれば、やってやる!」と出場機会に飢えていた岸本武流をピッチに送り込む。すると、岸本は前線での体を張ったキープや献身的な守備でセレッソにペースを持ち込む。82分には、リカルド サントスに代えて福満隆貴を投入してさらに攻撃に変化を加えると、残り10分+後半アディショナルタイムはセレッソが攻勢をかける。90+1分には相手のクリアを拾った岸本から丸岡とつなげ、最後は福満がシュートを放つも、惜しくもシュートはGK正面。1分後には、今度はGKキム ジンヒョンからのキックを岸本が収めて反転してシュートを放つも、再びGKに防がれた。

 最後まで守備での帰陣も速く、運動量が落ちなかったセレッソは、試合終了の笛がなるまで守備の意識は高く保ち続けたが、第1節の横浜FM戦ではチャンスが生まれたセットプレーも含め、ついぞ甲府の堅陣を破ることができなかった。試合後、スコアレスドローという結果に攻撃陣は一様に反省の言葉を並べたが、「グループリーグなので、アウェイで勝点1は悪くない結果」(茂庭照幸)であることも確か。「アウェイで貴重な勝点1」(茂庭)を重ねたことで、セレッソは勝点を4に伸ばし、得失点差でBグループの首位も堅持した。 

「連戦の中、今日のカップ戦では若手選手や出場機会が少ない選手で臨むことになりました。何かやろうとする意欲は見せてくれたと思いますが、少し焦りなど、急いでやろうとする様子も見られました。それでも、発展できる姿もはっきり見えました」と試合を総括した尹晶煥監督。公式戦での連勝は4で止まったが、連続無失点試合は5に伸ばすなど、安定した戦いぶりは継続できている。このまま、チーム一体となった姿勢を保ち続け、大阪全体が熱く燃える一戦、ガンバ大阪との大阪ダービー(4/16・日・ヤンマー)に挑む。

文・小田尚史