5月10日(水)JリーグYBCルヴァンカップ第5節
セレッソ大阪 1-0 アルビレックス新潟 (19:03/金鳥スタ/5,361人)
試合写真・コメントなど
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 JリーグYBCルヴァンカップのグループステージでBグループのセレッソ大阪は、その第5節、アルビレックス新潟とホームのキンチョウスタジアムで対戦した。J1第10節・柏レイソルとのアウェイ戦から中3日での試合となったが、GKキム ジンヒョンだけでなく、MF山口蛍、DFマテイ ヨニッチと、リーグ戦で主軸となっている選手を複数起用。
「今回の試合を勝つことで、トーナメント(※プレーオフステージ・ノックアウトステージ)進出に、もう1歩近づける。リーグ戦のレギュラーで出ている選手が試合に出て絶対に勝つという保証はないが、それくらい勝とうとする気持ちが強いので、サブもレギュラーで出ている選手たちで構成した」と戦前に述べていたのは尹晶煥監督。控えにも、柿谷曜一朗、清武弘嗣、ソウザをはじめ、柏戦で先発していた選手がずらりと並んだ。

 準備期間の少ないなか、新たなメンバー構成で試合に挑んだセレッソ。しかし序盤は、監督交代後初の試合で、勝利への強い意欲を持ってやってきた新潟の攻勢にあい、ペースをなかなかつかめない。10分にはリカルド サントス、12分には木本恭生がシュートを放ち、相手ゴールを脅かすシーンもあったが、13分には新潟の右MF森俊介に左足でのループシュートで決定機を作られてしまう。それでも、GKキム ジンヒョンが手をいっぱいに伸ばしてなんとか弾き、ボールはクロスバーに当たって、失点を回避。正守護神の好守でピンチをまぬがれた。

 すると30分ごろからはセレッソも攻勢の時間が増える。36分にやってきたフリーキックの場面では、ルヴァンカップ5試合目となる19歳のDF舩木翔が直接狙うが、ボールは惜しくもサイドネット外に。その舩木は前半終了間際にも見せ場を作り、左サイドから好クロスを上げたのだが、ゴール前で合わせた福満隆貴のヘディングシュートは枠の上に逸れ、チャンスを生かせず。結局、前半はスコアレスで折り返す。

 ただし、前半で新潟の攻撃の時間を粘り強くしのぎ、「失点ゼロで抑えたので、それが後半につながった」と木本恭生も言うように、後半になるとセレッソが敵陣でプレーする時間が続く。63分に清武、65分に丸橋祐介と、次々と選手を送り込み、攻撃的な姿勢を強めると、79分に待望の先制点を獲得。丸橋が自陣左サイドから相手ゴール前へロングフィードを送り込むと、これに清武とリカルド サントスが反応し、必死にボールへ詰めていく。2人はそのボールに届かなかったのだが、そのハイプレスが新潟GK守田達弥の一瞬の隙を誘い、ワンバウンドして高く弾んだボールは、守田の頭を越えて、そのままゴールに吸い込まれた。丸橋にとっては、柏戦で自身のクリアミスから失点し敗北を喫したこともあり、まさに汚名返上となるゴールになった。

 その後は新潟の反撃にもあったが、茂庭照幸が相手シュートをヘディングでクリアするなど、チーム全体が身体を張って守り、新潟に得点を許さない。結局1-0で勝ちきったセレッソは、勝点を11に伸ばし、同日勝利している首位のヴィッセル神戸(勝点12)とともに、プレーオフステージ進出圏内のBグループ3位以内が確定。3年ぶりのルヴァンカップでベスト8入りへまた一歩前進した。「チーム全体の積み上げが、この勝点につながっている」と言うのは、田中裕介。柏戦での悔しさを払拭するだけでなく、4日後のJ1第11節・サンフレッチェ広島戦、そしてルヴァンカップ・グループステージ最終戦となる第6節の神戸との首位攻防直接対決に向けても、チームは弾みをつけた。

 また、試合後には、FIFA U-20 ワールドカップ韓国に出場する舩木にサポーターからエールが贈られた。舩木は「サポーターの皆さんにも温かく見送っていただいたので、自分が結果を残してU-20日本代表が勝てるようにしたい。頑張ってきます!」という言葉を残し、桜色の戦士を代表して決戦の舞台へと向かった。

文・前田敏勝