6月28日(水)JリーグYBCルヴァンカッププレーオフ第1戦
北海道コンサドーレ札幌 0-2 セレッソ大阪 (19:03/札幌ド/5,192人)
試合写真・コメントなど
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JリーグYBCルヴァンカップのノックアウトステージ進出を懸けた戦いであるプレーオフステージ。敵地でAグループ3位のコンサドーレ札幌との第1戦に臨んだセレッソ大阪は、直近のJ1第16節・ベガルタ仙台戦 から先発11人を総入れ替え。ボランチでは、秋山大地がルヴァンカップ グループステージ第4節・サンフレッチェ広島戦以来の先発復帰を果たし、西本雅崇とコンビを組めば、1トップには公式戦の出場がルヴァンカップ グループステージ第5節・アルビレックス新潟戦以来となるリカルド サントスが入った。2列目には、関口訓充、福満隆貴とともに、北海道出身の清原翔平も先発に名を連ねた。

 開始早々、清原のドリブルからセレッソがCKを得るが、次第にホームの札幌にボールを握られ、セレッソは耐える時間が続く。それでも札幌に決定的なシュートは許さず試合を進めると、30分過ぎからはDFラインも押し上がり、中盤でボールも回るようになったセレッソ。31分には、酒本憲幸のクサビを福満が落とし、西本がリカルド サントスとのワンツーから思い切り良くミドルシュートを放つ場面もあった。
 札幌が負傷で2人の選手交代を余儀なくされた中、セレッソは前半終了間際に待望の先制点を奪う。CKの流れから左サイドの関口にボールが渡ると、左足でゴール中央へ正確なクロス。そこへ飛び込んだのがリカルド サントス。相手DFより頭1つ抜け出した打点の高いヘディングを豪快に叩き込んだ。

 1点を先取して迎えた後半。58分には、福満がセレッソ加入後初得点となる追加点を鮮やかに決めた。「目が合った」(福満)左サイドの田中裕介から届いたアーリークロスをうまく胸でトラップして前を向くと、角度のないところから相手GKの股間を抜く技ありゴールを決めた。
 2点差となったことで、ここからは札幌の攻撃をセレッソが防ぐ展開が続く。福満のゴールから5分後には、内村圭宏のヘディングがバーを直撃し、そのこぼれ球も札幌の選手に詰められたが、ここはゴールに吸い込まれる寸前で木本恭生がクリア。65分、69分には、丹野研太にビッグセーブも飛び出した。セレッソも72分に決定機。リカルド サントスのスルーパスに抜け出した関口が、鋭い切り返しでDFをかわしてシュートを放つも、GKに防がれ、詰めた福満のシュートもバーを越えた。

 80分に札幌のエースストライカー・都倉賢が交代でピッチに入ると、札幌の攻撃の圧力が増す。82分には、その都倉が競ったこぼれ球から内村にシュートを許したが、酒本が足を投げ出してブロック。その後は89分に得点者2人に代わって澤上竜二と瀬古歩夢が入り5-4-1にして逃げ切る態勢を整えるとともに、90+3分には喜田陽もトップチームデビューを果たした中、最後まで得点を奪われることなく、0-2で完封勝利を収めた。
「ルヴァンカップでは押されるシーンもたくさんあるけど、みんなで粘り強く戦えている」と秋山も話すように、この試合でも攻撃陣は守備への切り替えを徹底し、守備陣は懸命に体を張って相手の攻撃に対応。最後の一線を割らせることはなかった。
「(試合に臨むにあたって)少し不安はありましたが、時間が経つにつれて、その不安もなくなっていきました。若い選手とベテラン選手の調和がうまくできて、ロッカーの中から戦う雰囲気をうまく作っていたと思います。ルヴァンカップ組の戦おうとする姿に対しては誇りに思っています」と尹晶煥監督も称えるまとまりのある戦いを見せた。

 選手1人ひとりの試合に懸ける意欲、チームとしてのアウェイでの戦い方、そのいずれもが申し分のない快勝を収めたセレッソ。ノックアウトステージ進出へ向け、ホームで迎えるプレーオフステージ第2戦<7/26(水)@金鳥スタ>へいい流れを持ち帰ることに成功した。

文・小田尚史