7月17日(月・祝)StubHubワールドマッチ2017
セレッソ大阪 1-3 セビージャFC (18:03KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど
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 Jリーグがサマーブレイク期間に入った7月17日(月・祝)。ラ・リーガ(スペイン)の強豪・セビージャFCをホームのヤンマースタジアム長居に迎えた「StubHubワールドマッチ2017」が開催された。セレッソ大阪は28人が、セビージャは26人がベンチ入りしたこの試合。セレッソは、直近のリーグ戦第18節・柏レイソル戦 から先発1人を変更。ソウザに代わって木本恭生がボランチに入った。

 開始4分、最初に決定機を作ったのはセレッソ。左サイドを突破した柿谷曜一朗のクロスに水沼宏太がヘディングで合わせたが、ここはセビージャのGKセルヒオ リコに防がれた。以降も14分に木本が、17分には杉本健勇がシュートを放つなど、序盤は互角の戦いを演じたセレッソだが、20分過ぎから、試合は一方的なセビージャペースへ。「前半はずっとボールを回されていた。セビージャは1人ひとりの技術がしっかりしているので、ボールの取りどころを明確にできなくて、あまりプレスがハマらなかった」と試合後に山村和也も振り返ったように、セビージャのアンカー・ステヘン ヌゾンジを中心としたセビージャの巧みなビルドアップの前に、セレッソは杉本と山村の2トップがプレスに行けず、守備がハマらない。
 必然的に全体が下がって相手の攻撃を受ける形となるが、外からのクロスに対してはDFラインが集中力を高く保ち跳ね返した。いくつかあった決定的なピンチもキム ジンヒョンが好守でしのいだ。

 押し込まれつつも、前半は0-0で、後半勝負──。そんな青写真が砕かれたのが、42分だった。ここまで、再三好セーブを見せていたキム ジンヒョンが、ワルテル モントーヤのシュートをファンブル。ウィサム ベンエデルに詰められ、セビージャに先制を許した。

 後半開始から木本に代えて福満隆貴を投入した尹晶煥監督は、システムを[5-3-2]に変更。サイドで数的優位を作られていた守備を安定させる狙いを持って後半に入ったが、55分、ガンソから裏に出たパスに反応したホアキン コレアをキム ジンヒョンが倒したとして、セビージャにPKが与えられる。「僕としてはしっかりボールに行ったので、ファウルではないと思う」とキム ジンヒョンも話す微妙な判定ではあったが、これをウィサム ベンエデルに決められ2点差に。

 その後、62分にはセビージャが、71分にはセレッソが交代枠7人を全て使い切る。セビージャの攻撃の起点になっていたステヘン ヌゾンジがベンチに下がったこと、セビージャ全体の運動量が落ちたこともあり、後半の中盤から終盤にかけてはセレッソが押し込む展開も生まれた。
 77分には、山口蛍のカットから前線でパスをつないで崩し、最後は福満がシュートを狙う。すると、80分。セレッソが一矢報いる瞬間が訪れた。キム ジンヒョンのキックにリカルド サントスが競り勝ち、頭で関口訓充へつなぐ。関口のスルーパスに抜け出したリカルド サントスが放ったシュートがポストに当たって跳ね返ったところを福満が詰めて、ネットを揺らした。沸き返るスタジアムを背に一気に同点まで持って行きたいセレッソだったが、90+1分、相手GKのキックに抜け出したルイス ムリエルに、守備の隙を突かれて得点を許した。再び2点差となり、ここで試合は決定付けられた。

 第10節・柏戦(5/6)での敗戦以降続けてきたリーグ戦、カップ戦での負けなしが止まったセレッソだが、「今日、セビージャと対戦して、すごく学ぶことがたくさんあるなと感じました。それをリーグ戦につなげることができれば、いい経験ができたと言えるのではないでしょうか」と尹晶煥監督も振り返るように、この敗戦をここから先の公式戦に生かしていくことがなにより大切。さしあたって、この試合から5日後に控えるJ1リーグ戦第22節・浦和レッズ戦 。「セビージャと同じようにしっかりとつないで崩してくるチーム」(キム ジンヒョン)である浦和を相手に、この試合でハマらなかった守備をどう立て直すか。修正力が問われる。

文・小田尚史