7月26日(水)JリーグYBCルヴァンカッププレーオフ第2戦
セレッソ大阪 1-0 北海道コンサドーレ札幌 (19:03/金鳥スタ/5,300人)
試合写真・コメントなど
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 JリーグYBCルヴァンカップにて、グループステージのA、B各グループ2位と3位のチームが出場し、ホーム&アウェイで対戦する、プレーオフステージ。その第2戦が、7月26日(水)に行われた。第1戦をアウェイで2-0と先勝した、Bグループ2位のセレッソ大阪。2点リードというアドバンテージを持って、Aグループ3位の北海道コンサドーレ札幌とのホームゲームに臨んだ。

 4日前の7月22日、J1第22節の浦和レッズ戦から、当時の先発メンバーでは、キム ジンヒョンが今回の控えGKに入った以外、すべてベンチ外に。先発の顔ぶれはルヴァンカップ プレーオフステージ第1戦がベースとなり、徳島ヴォルティスに期限付き移籍することになった清原翔平に代わって、19歳のルーキー、斧澤隼輝が、トップチームにて初出場。また、控えメンバーには、ルヴァンカップ出場経験のある岸本武流、瀬古歩夢だけでなく、温井駿斗、大山武蔵も新たに加わり、先発の西本雅崇を含めて、セレッソU-23から多くの選手が名を連ねる、フレッシュな陣容が揃った。

 試合では、「みんなで第2戦は0-0(からスタート)の気持ちでやろうという話はしていた」と秋山大地も言うように、まずはこの一戦での勝利を追求した、桜色の戦士たち。その強い意気込みのとおり、前半から積極性を見せる。開始6分で、田中裕介の縦パスを受けた斧澤が、精度の高い左クロスを配球。これに合わせたリカルド サントスの左足シュートは惜しくも枠の上を越えるが、13分にも西本のスルーパスに反応した斧澤が左クロスでチャンスを作るなど、ルーキーがチームを活性化する。

 すると、26分、チームにとって欲しかった先制点を奪取。その起点となったのも、斧澤だ。右サイドにパスを送ってワイドに展開すると、これを酒本憲幸がワンタッチで前へ。そして、ペナルティーエリア右手前で受けた秋山がゴール前へ精度の高いクロスを供給すると、中央で競ったリカルド サントスの裏にファーサイドから飛び込んできたのが、福満隆貴。正確にヘッドを合わせ、ゴールにねじ込んだ。福満の第1戦に続く価値ある一撃で、合計スコアでも3-0と開くことに成功する。その後も、関口訓充のコーナーキックから、西本が角度のないところからボレーシュートを放って相手ゴールを脅かすなど、攻勢を続けたセレッソ。また、守備でも、GK丹野研太や、茂庭照幸、木本恭生のセンターバックコンビを軸に、粘り強く対応。前半を無失点で折り返すことができた。

 後半になると、札幌が今夏から加わったチャナティップを投入。『タイのメッシ』と称されるタイ代表MFや、ベテランの小野伸二を中心に、反撃を仕掛けて来る。また、前半から見られた札幌のサイド攻撃に、ひやりとされるシーンも垣間見えた、セレッソ。それでも、尹晶煥監督は試合を見極め、効果的な采配を行う。57分には藤本康太を投入。リーグ戦同様、守備を固めてカウンターを狙う『勝利の方程式』へ移行し始めると、64分には澤上竜二を送り込んで前線を強化し、78分には2種登録の17歳、瀬古を加えて、高さをいかそうとしてきた札幌にも対応。隙を作らない。

 また、チャナティップらが突破を図ろうとしても、そこには、秋山、木本らが立ちはだかる。攻撃を担っていたリカルド サントスや福満も守備でチームに貢献するなど、最後まで全体の守備意識、ハードワークが落ちない。追加点こそ生まれなかったが、このまま1-0で逃げ切り、ホームでも勝利したセレッソ。2連勝でプレーオフステージを勝ち上がり、3年ぶりとなるノックアウトステージ進出を果たした。

「僕らの選手たちはミスもすごく多くて、改善すべきところもありましたが、ミスをしても、すぐ挽回しようとして走る選手もいて、それをカバーしようとする周りの選手たちがいて、そういうことがすごくよく見えていた」と、チームとしての戦いを評価したのは、尹監督。ベテランから若手まで一体となって戦い、結果を出せているのは、このルヴァンカップでもよく見られた成果。まさに全体で勝ち取ったベスト8入りだった。公式戦の連勝を8に伸ばし、さらにモチベーションも高まるなか、3日後のJ1第19節、ガンバ大阪との大阪ダービーに向けても、大きな弾みとなる1勝となったのは、間違いない。

文・前田敏勝