8月9日(水)2017明治安田生命J1リーグ第21節
清水エスパルス 3-2 セレッソ大阪 (19:03/アイスタ/12,324人)
試合写真・コメントなど
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 前節の北海道コンサドーレ札幌戦から中3日。真夏の連戦となった今節、敵地に乗り込んで清水エスパルスとの一戦に臨んだセレッソ大阪は、前半に2点を先取するも、後半にまさかの3失点。悪夢の逆転負けを喫してしまった。

 序盤、セレッソは清水の攻撃を受ける。8分、松原后にミドルシュートを打たれると、9分には、ミッチェル デュークに深い位置まで切り込まれる。19分にも、金子翔太にペナルティーエリア内へ進入され、決定的なシュートを放たれた。それでも、劣勢の時間帯をしのぐと、ワンチャンスをモノにして先制に成功する。24分、ソウザのCKを田中裕介が頭で折り返し、中央で待ち構えた山村がジャンピングボレーでネットを揺らした。前節を欠場し、「今節はチームの勝利に貢献できるプレーをしたい」と意気込んで臨んだ背番号24に待望のリーグ戦6試合ぶりのゴールが飛び出すと、続く33分、今度は水沼宏太がドリブルで獲得したFKから2点目が生まれた。丸橋祐介の精度の高いキックにニアで合わせたのは、静岡県出身の木本恭生。両親も観戦に訪れるなど、故郷へ錦を飾る木本のゴールで追加点を奪ったセレッソは、その後は序盤のバタつきから一転、落ち着いたパス回しでリズムも出てきた。立ち上がりは少し重たい前半だったが、その後、しっかりとセットプレーから2得点。したたかな試合運びで折り返した。

 後半も、開始50秒、3点目のチャンスが訪れる。ソウザのパスに右サイドを抜け出した水沼がDFラインの裏を取って、角度のないところからシュート。ただし、ここは惜しくもポストに弾かれると、直後の47分。右サイドのクロスから長谷川悠にヘディングでネットを揺らされるも、オフサイドの判定。長谷川の位置はオンサイドであったが、その奥にいた北川航也が少し前に出ていた。セレッソにとっては幸運な判定とも言えたが、この判定を巡って清水の選手、そしてスタジアム全体がヒートアップ。異様な雰囲気に包まれ、清水の闘志に火が点くと、51分、松原の突破に対して、たまらず田中がファウル。PKを与えると、これを金子に決められ1点差に迫られる。防戦一方に追い込まれたセレッソは、60分には、相手スローインから北川にトラップで前を向かれてシュートを決められ、同点に追いつかれた。62分、丸橋のクロスから柿谷曜一朗がヘディングで清水ゴールを脅かすも、GKに防がれると、65分、その柿谷とソウザを同時に交代させる荒療治に出た尹晶煥監督だが、清水に傾いた流れは止められない。セレッソは全体が下がり、清水のボランチに自由にボールを持たれて押し込まれると、73分、高い位置を取って攻め込む清水の左サイドバック、松原のクロスから再び北川に左足ヒールで流し込まれて逆転を許してしまった。

 76分、山村に代わってリカルド サントスがピッチに入り、終盤はパワープレーに活路を見出したセレッソだが、思うように決定機は作れない。それでも、セカンドボールを拾っては丹念にサイドからクロスを入れ続けると、90分+5分。ビッグチャンスが訪れた。水沼のクロスを清水GK六反勇治が弾いたボールが木本の元へ。ゴール前、絶好の同点のチャンスだったが、シュートは枠を捉えることはできず、タイムアップ。敵地で無念の逆転負けを喫した。

 試合後、選手たちは通常より30分ほど遅くミックスゾーンに姿を現した。チームは緊急ミーティングを行っていた。「いいミーティングができました。1試合負けたくらいでバラバラになるチームじゃないし、しっかり休んで、夏場、また苦しい試合はあるので、1つずつ乗り越えていければいいと思います」と話したのは柿谷。ここから次節のジュビロ磐田戦まで9日間が空く。まずはしっかりと休息を取って心身を回復させ、その上で、失点が増えている守備の改善を図りたい。今節の結果、暫定首位から2位に後退したセレッソだが、シーズンはまだまだここから。もう一度、ファイティングポーズを取り直し、出直しを誓う。

文・小田尚史