9月30日(土)2017明治安田生命J1リーグ第28節
川崎フロンターレ 5-1 セレッソ大阪 (19:03/等々力/24,225人)
試合写真・コメントなど
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 今季初のリーグ戦連敗で迎えた今節の川崎フロンターレ戦。3連敗は阻止すべく挑んだセレッソ大阪だが、結果は1-5で完敗。2位と4位の上位対決と呼ぶにはあまりにも差が付いた悔しい試合となってしまった。

 立ち上がりは互角の攻防を展開した。試合前の想定通り、川崎Fにボールは支配された。セレッソの守備ブロックのギャップに入ってくる川崎Fの選手を捕まえることができず、ワンタッチ、ツータッチでボールを動かされ、守備の網を破ってくる川崎Fのパスワークに後手を踏んだが、それでも、何とか失点はせずにしのいでいた。攻撃では、9分、山口蛍のクロスに杉本健勇がヘディングで合わせて川崎Fゴールを脅かせば、16分には、柿谷曜一朗、秋山大地、田中裕介が左サイドでパス交換して溜めを作り、最後は杉本が田中とのワンツーから抜け出し、ドリブル突破。クロスを上げてGKチョン ソンリョンを慌てさせた。

 序盤から互いにゴールを目指すスリリングな攻防が続いた中、19分、セレッソはCKから先制を許してしまう。その直前、家長昭博の溜めから中村憲剛の放ったシュートがDFに当たってコースが変わった。ここはキム ジンヒョンが驚異的な反応で好セーブを見せたが、直後のCKから失点。谷口彰悟にニアに入られ、ヘディングを決められた。それでも、冷静さを失わずに試合を進めていたセレッソだが、45分に追加点を与えてしまう。きっかけは、またもCKから。一度はクリアするも、セカンドボールを拾われると、エドゥアルド ネットのクロスから小林悠に決められた。この時、ペナルティーエリア内で小林のマークに付いていたマテイ ヨニッチが相手にユニフォームを引っ張られてバランスを崩したようにも見えたが、笛は鳴らず。痛い2失点目となった。

 後半になっても川崎Fペースは変わらない。50分、角度のないところから放たれた小林のシュートこそキム ジンヒョンが防ぐも、52分、中村から左サイドに展開されると、車屋紳太郎のクロスを山下達也がクリアするも、こぼれ球をエウシーニョにダイレクトで叩き込まれて3失点目。58分には、森谷賢太郎にドライブ回転がかかったロングシュートを決められ4失点目。立て続けに失点を重ねた。

 何とかまずは1点を返したいセレッソ。64分、秋山に代わってソウザがピッチに入ると、ピッチのパワーバランスに変化が起こる。相手に拾われ続けていたセカンドボールをソウザが拾うことでセレッソが流れを引き寄せると、68分、ソウザの思い切りの良いミドルシュートを相手GKが弾いたところを柿谷が詰めて、セレッソが1点を返す。ただし、以降は再び川崎Fに支配され、反撃ムードを高めることができない。79分には清武弘嗣が投入され、第16節・ベガルタ仙台戦以来となるリーグ戦での復帰を果たすも、思うようにチャンスは作れなかった。すると、89分。敵陣でのパスミスから川崎Fのカウンターを受けると、エウシーニョに鮮やかなループシュートを決められ万事休す。川崎Fの巧みなボール回しに対し、セレッソはプレスをかける守備、ブロックを固める守備。そのどちらもがうまく機能せず、「組織的な守備ができなかった」と尹晶煥監督も試合後に反省の弁を述べた。

 これでリーグ戦は3連敗となってしまったセレッソだが、下を向いている時間はない。中3日でルヴァンカップ準決勝の第1戦がやって来る。相手は宿敵・ガンバ大阪だ。悲願の初タイトルへ向けた戦いに向け、リーグ戦の直近3試合で出た課題に向き合うとともに、メンタル面で引きずることなく、気持ちをカップ戦に切り替えたい。J1復帰1年目ながら、各大会で勝ち進んできた今季。このまま尻すぼみで終えてしまうのは、あまりにもったいない。カップ戦ではここまでキャプテンマークを巻いて奮闘してきた秋山も、「下を向いていても仕方ない。みんなで話し合って、またルヴァンカップ準決勝に向けて気を引き締めて頑張りたい。練習からまた一致団結して、結果を出せるようにやっていきたい」と話す。今季最大の正念場を迎えたセレッソだが、ルヴァンカップ準決勝は、停滞ムードを跳ね返し、前に進む絶好のチャンスでもある。今こそ、チーム一丸となって立ち向かう時である。

文・小田尚史