10月4日(水)JリーグYBCルヴァンカップ準決勝第1戦
セレッソ大阪 2-2 ガンバ大阪 (19:03/ヤンマー/21,800人)
試合写真・コメントなど
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 クラブ悲願のタイトルへ、初のカップウィナーを目指して、3シーズンぶりに挑むJリーグYBCルヴァンカップ。準決勝に進んだセレッソ大阪は、決勝への切符を賭けて宿敵・ガンバ大阪と対戦。プレーオフステージ、準々決勝と同じくホーム&アウェイの2試合で競われるその第1戦では、ヤンマースタジアム長居でのホームゲームに臨んだ。J1第28節・川崎フロンターレ戦から中3日、そして、日本代表MF山口蛍、FW杉本健勇、韓国代表GKキム ジンヒョンが代表戦で不在ということもあり、これまでのルヴァンカップと同じくリーグ戦からスターティングメンバーを総入れ替えしたなか、大一番の180分勝負の「前半戦」に挑むことになった。

 ルヴァンカップのホーム&アウェイの戦いで、鍵となってくるのはアウェイゴール数。ホームでは相手に失点を与えないことが、自らを優位に導く。「アウェイゴールを許してしまったら、なかなか難しい試合になる」と戦前に福満隆貴も述べていたように、無失点がこの一戦の目標でもあったセレッソ。だが、そのプランは前半早々崩されてしまう。16分、自陣ペナルティーエリア手前で、G大阪FW赤崎秀平に豪快なミドルシュートを叩き込まれ、取られたくなかった先制点を献上してしまった。

 それでも、「先手を取られても、『全然気にしないでいいから、次に切り替えよう』と、みんなで声を掛け合ってやっていくことができた」と言うのはキャプテンマークを巻いた秋山大地。ホームに集いしセレッソの大サポーターの声援も後押しに、桜色の戦士たちもひるまず反撃。
 それが実ったのは、23分。敵陣で斧澤隼輝がプレスをかけてボールを奪うと、木本恭生、福満とボールを素早くつなぎ、最後はリカルド サントスが右足で絶妙なループシュート。これがきれいな弧を描いてゴールネットに吸い込まれた。桜の11番のリーグカップ戦4得点目で、試合を振り出しに戻した。

 1-1で前半を折り返すと、後半は大阪ダービーらしい激しい攻防が展開される。48分にG大阪MF遠藤保仁の強烈ミドルシュートをセレッソGK丹野研太が好守で防げば、52分には逆にセレッソMF斧澤に決定機。若きアタッカーはペナルティーエリア内で右足を振り抜くも、シュートは相手GK藤ヶ谷陽介に阻まれる。その1分後にやってきた立て続けのピンチをしのげば、セレッソは左から丸橋祐介が攻撃参加の回数を増やしていくなど、双方のゴール前での攻防が激しくなっていく。

 そのなかで、ホームでの勝ちにこだわるセレッソは71分、斧澤に替えて、攻撃の切り札・清武弘嗣を投入。関口訓充がゴール裏のサポーターにさらなる応援を求め、雰囲気がさらに高まると、その清武から試合を動かす。
 81分に得たフリーキック、清武が絶妙なボールを配球すると、これにニアサイドで合わせた木本がヘディングシュートでゴール。逆転に成功し、桜色の歓喜がスタジアムに響き渡った。その後、ソウザを入れ、木本を最終ラインの一角に据えて勝ちきりにいったセレッソ。
 だが86分、一瞬の隙を突かれる。自陣でボールを奪われたところから、最後は途中出場のG大阪MF井出遥也にゴールを許してしまい、再び同点に。直後にはセレッソも水沼宏太を送り込んでなんとか勝ちに行ったが、試合はそのままタイムアップ。準決勝最初の90分は2-2の引き分けに終わった。

 アウェイゴールを2点奪われたことはチームにとって誤算となり、試合後の尹晶煥監督も「最後の集中力を欠いてしまって、同点に追い付かれてしまった」と悔しさをにじませた。それでも、第1戦、負けなかったのも事実。
「次は点を取られても、しっかり勝てばいいだけなので。本当にシンプルなこと」と関口も前を向くように、第2戦で勝てばファイナルへ進める。目標がはっきりしただけに、桜色の戦士たちは4日後に迎える残り90分へ気合いを入れ直していた。
 今季最後となるG大阪戦は、セレッソ一丸となって「なんとしても勝たなければいけない」(リカルド サントス)決戦。勝利だけを目指して、いざ、敵地・市立吹田サッカースタジアムへ乗り込む。

文・前田敏勝