4月3日(火)AFCチャンピオンズリーグ2018 MD5
セレッソ大阪 2-1 済州ユナイテッド (19:00/長居/9,066人)
試合写真・コメントなど
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 グループステージ突破へ向けて勝利のみが求められたAFCチャンピオンズリーグ MD5 済州ユナイテッド戦。セレッソ大阪は、背水の陣で敵地に乗り込んできた済州を見事、2-1で下し、勝点を8に伸ばすとともに、ブリーラム・ユナイテッドを抜いて、グループGの2位に浮上した。

 直近のリーグ戦、J1第5節・湘南ベルマーレ戦 から中2日という日程も考慮し、先発を8人変更したセレッソ。杉本健勇や柿谷曜一朗、マテイ ヨニッチにキム ジンヒョンといった、リーグ戦でも主力を張るメンバーに加え、セレッソ加入後、公式戦での初先発となった片山瑛一や、今季のトップチームでの初出場となった西本雅崇ら、フレッシュな面々がスタメンに並んだ。

 立ち上がりからペースをつかんだのはホームのセレッソ。7分、片山のパスから福満隆貴が、14分には山村和也のパスから柿谷が、それぞれDFラインの裏へ抜け出し、チャンスを迎えかける。
 すると16分、CKからセレッソに先制点が生まれた。田中亜土夢のキックにファーサイドで片山が体勢を崩しながらも左足を振り抜くと、本人いわく「スネに当たった」シュートがクロスバーに当たってネットを揺らした。試合後はAFC公式のマン・オブ・ザ・マッチにも選ばれた片山。「勝たないといけない試合で勝つことができて良かった。得点シーンに関しては、気持ちで取った」と笑顔で振り返った。

 先制後、済州の反撃を受けたセレッソだったが、ここで立ちはだかったのが、韓国代表GKのキム ジンヒョン。21分、元セレッソのマグノ クルスのパスから裏へ抜け出したチアゴ マルケスのシュートを右手1本で防ぐと、27分には、イ チャンミンの鋭いブレ球の直接FKもビッグセーブ。「昨シーズン、みんなが頑張って勝ち取ったACLの出場権。簡単に大会を去ることはしたくない。この試合を勝ち切って、突破に望みをつなげたい」と試合前に話していた意気込みをプレーで示し、掴んだ流れを渡さない。
 セレッソに追加点が生まれたのは、34分。この試合、キャプテンマークを巻いて先発した酒本憲幸の縦パスを杉本が収めて落とすと、受けた西本がダイレクトで右サイドへ大きく展開する。このパスを絶妙なトラップで収めた福満が中へドリブルで進んでDFをひきつけ、空いたスペースへ走り込んだ山村和也へスルーパス。山村が落ち着いてゴール前へダイレクトで折り返すと、相手のマークを外した柿谷が冷静にゴールへ流し込んだ。一連の流れるような連係からゴールが決まり、セレッソが試合の主導権を完全に掌握した。 

 後半は済州の攻撃の前に守勢に回ったセレッソだが、統制の取れた守備組織で対抗。済州に決定機を与えずにいると、59分、キム ジンヒョンのキックから柿谷がディフェンスラインの裏を取ってGKと1対1となる好機を迎えたが、シュートは防がれた。63分にも福満が左サイドを鮮やかに突破してクロス。杉本が詰めるも、惜しくもDFに防がれた。追加点こそ奪えないセレッソだったが、ピッチに立つ選手全員のセカンドボールへの反応も速く、随所に体を張って戦う姿勢を前面に出し、済州に反撃を許さない。

 試合終了間際にクロスからヘディングを決められて1失点こそ喫したが、そのまま2-1で勝利。試合前、「誰が出たとしても結果が求められる。勝つためには、90分、全員がタフに戦い続けることが大事」と、この一戦を見据えていたのは杉本だったが、まさにこの言葉通り、チームの総力を結集させた上での快勝に、試合後の選手たちは充実した表情を浮かべた。 

 この勝利の結果、セレッソは最終節、敵地で行われる広州恒大との一戦に、グループステージ突破を懸ける。

文・小田尚史