4月11日(水)2018明治安田生命J1リーグ 第7節
川崎フロンターレ 1-2 セレッソ大阪 (19:03/等々力/17,113人)
試合写真・コメントなど
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 勢いが止まらない。リーグ戦2連勝、公式戦3連勝で今節のJ1第7節・川崎フロンターレ戦に挑んだセレッソ大阪は、前半22分に失点するも、その後、31分、36分と立て続けに得点。後半は川崎Fの猛攻をしのいで1-2で勝利し、リーグ戦3連勝、公式戦4連勝を達成するとともに、リーグ戦の順位も4位に浮上した。

 前節から中3日、そして、今節の後、中2日で次節のFC東京戦を迎える過密日程も踏まえ、前節のサガン鳥栖戦から先発6人を入れ替えた尹晶煥監督。AFCチャンピオンズリーグ MD5 済州ユナイテッド戦で活躍した福満隆貴や田中亜土夢、片山瑛一らがピッチに立ち、2トップの一角にはヤン ドンヒョンが入った。

 開始4分、相手のパスミスを拾った柿谷曜一朗が思い切りよくシュートを放つ場面こそあったが、序盤から川崎Fにボールを回されるセレッソ。ある程度、織り込み済みの展開ではあったが、「試合の入りは、選手の体も重く見えた」と尹晶煥監督も試合後に振り返ったように、川崎Fのパス回しに翻弄され、自分たちのビルドアップもままならずにいると、22分、アクシデント的な形から失点。エドゥアルド ネットの前線へのパスが、強風で若干、押し戻されると、マテイ ヨニッチと山下達也の間の絶妙な位置に落ち、飛び出したキム ジンヒョンも触ることができず、知念慶に押し込まれた。

 ただし、気持ちを落とすことなく、ここからセレッソは反撃。24分、丸橋祐介のフィードからヤン ドンヒョンがゴールに迫ると、26分には、山村和也、福満、柿谷とパスがつながりかけ、チャンスになりかける。すると、31分、中盤で大久保嘉人のパスを柿谷がプレスバックしてうまくカットすると、山村が前線の福満へ素早くパス。一気のカウンターから福満がドリブルでゴールへ迫ると、戻った大久保がたまらずファウル。これで得たFKを丸橋が見事なキックで直接沈め、セレッソが同点に追いついた。

 36分には、田中亜の鋭く曲がってゴールに向かうCKを川崎FのGKチョン ソンリョンが弾いたところを福満が猛然と飛び込み、ヘディングを叩きこんでネットを揺らし、セレッソが逆転に成功した。九州地域リーグ、JFL、J3、J2とステップアップしてきた福満にとって、ついに掴んだJ1リーグでの初ゴール。「チャンスをもらったら結果で示したい」と強い決意で臨んだ一戦で決めた得点後は、会心のガッツポーズも飛び出した。

 逆転後は、「みんなで声を掛け合ってしっかりブロックを作って守れた」と山口蛍も振り返ったように、川崎Fのポゼッションに対して、セレッソはしっかりと4-4-2の3ラインを作って応戦。味方同士の守備での距離感もよく、山口がインターセプトを連発すれば、相手のクロスはマテイ ヨニッチがしっかりと跳ね返す。途中から出てきた齋藤学や家長昭博といったタレントに対しても、片山が体を張って対応するなど、川崎に反撃の糸口を掴ませない。試合終盤は木本恭生を投入して5バックで守り切ったセレッソが、昨季のルヴァンカップ決勝、今季のFUJI XEROX SUPER CUPに続き、対川崎F、公式戦3連勝を収めた。敵地で昨季のリーグ王者撃破という、また一つ波に乗れる大きな一勝を掴んだセレッソは、次節、中2日でホームに戻り、順位が一つ上のFC東京戦に挑む。

 また、この試合では、ケガから復帰した清武弘嗣がACL MD1 済州戦以来、公式戦11試合ぶりにピッチに立ち、アウェイゴール裏を埋めた多くのセレッソサポーターに拍手で迎えられた。試合後は、「監督やスタッフ、チームメイト、家族もそうですし、その中でもサポーターの力はすごく大きいので、感謝しています」と笑顔を見せ、今後の活躍を誓った。勢いに乗るセレッソに、また一人、頼もしい仲間が戻ってきた。

文・小田尚史