9月3日(土)第96回天皇杯2回戦
セレッソ大阪 - 京都サンガF.C. (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 第96回天皇杯1回戦では、四国リーグ所属の香川県代表・アルヴェリオ高松に、杉本健勇の5ゴールなどで10-0と勝利を収めたセレッソ大阪。中5日を空けて、9月3日(土)にはすぐに2回戦を行う。相手は、同じ関西のJクラブであり、明治安田生命J2リーグ戦で現在6位につける京都サンガF.C.。J1昇格争いのライバルでもある。今季3度目となる関西ダービーが、伝統あるカップ戦にて実現する。

 今季の京都戦といえば、セレッソにとって苦い想い出が残る。リーグ戦の2試合で1分1敗。
 4月29日・第10節 のホームゲームでは、前半と後半のいずれも早い時間帯にコーナーキックから失点し、0-2と敗北。このとき、今季初めてとなる連敗を喫した。
 そして、7月31日・第26節 のアウェイゲームでは、前半こそ0-0で進めたが、後半は63分から67分までの間にカウンターなどで立て続けに3失点を献上。そこから、杉本健勇の2ゴール、酒本憲幸の2アシストの活躍などもあり、土壇場で3-3の引き分けに持ち込むことはできたが、一時は絶体絶命の状況まで追い込まれた試合でもあった。
 いずれも、先に失点を重ね、なおかつ「自分たちのミス」(大熊清監督)で、試合を難しくしてしまったことは大きな反省材料。それだけに、同じ失敗を同じ相手に3度繰り返すことは絶対に許されない。しかも、天皇杯は一発勝負の戦い。1点の比重がさらに大きくなってくるのは、過去のカップ戦でも痛感している。
「しっかりと、隙を与えないように集中して戦いたい」と言うのは、韓国代表招集で離脱中のGKキム ジンヒョンに代わって、1回戦で先発したGK丹野研太。そのためにも、相手の長所でもあるセットプレーや「前線の個の力は、J2のなかでも1、2を争うくらい強烈なものを持っている」(田中裕介)京都の攻撃陣によるカウンターアタックには、特に警戒が必要となる。

 一方で、セレッソは第26節・京都戦からシステムを変えて戦ってきており、その成熟度は「前回の対戦と比べて、僕たちの戦いも完成度は上がってきていると思う」と松田陸。「大会は(リーグ戦、天皇杯と)違えど、チームは2連勝している。まずはその流れをしっかり生かして、序盤15分くらいまでに、こちらのペースに持ってこられるようにしたい」と酒本憲幸も言うように、公式戦2連勝で培ったよさを京都戦にぶつけたい。

 1回戦では、昨シーズンのチームトップスコアラーでもある玉田圭司や、ルーキーの澤上竜二に待望の今季初得点も生まれた。酒本をはじめとする前からの鋭いプレスが、チーム全体の守備を引き締めた。ただ、今度は同じカテゴリーの相手になり、高松戦のようにいかないというのはみんながわかっていること。それでも、泥臭く粘り強く、勝ちにこだわって、序盤から戦っていくことが、さらなる高みへの道を開くものになるだろう。
「京都には1分1敗と勝っていない。関西のクラブですし、しっかり勝って今年の対戦を終えることも、モチベーションの1つ」と酒本が言えば、「京都はJ1昇格をともに争っている相手。だからこそ、ここでしっかり叩くことが大事になる」と田中も気合いを込める。宿敵からの勝利で、天皇杯だけでなく、リーグ戦にも好影響を与えていけるようにしたいものだ。

 舞台は、1回戦に続いて、普段はホームとして使っているキンチョウスタジアム。「リーグ戦ではなかなかホームで勝てていない。1つの勝利で(その流れが)変わると思うので、しっかり勝ちにこだわりたい」と丹野。この天皇杯で、キンチョウスタジアムでの勝ちを積み重ね、ホームを本来の心強い聖地に…。京都は強敵だが、「きちっと結果を出していくというのは、クラブにとっても大きいし、みんなの自信にもなる。1試合1試合しっかり戦いたい」と大熊清監督も言うように、セレッソはこの一戦でもすべてを出し切り、必勝を期す。

文・前田敏勝