9月22日(木・祝)第96回天皇杯3回戦
サガン鳥栖 - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/ベアスタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 長丁場の戦いであるJ2リーグ戦もいよいよ残り10試合。J1昇格争いも佳境に入ってきた9月後半。セレッソ大阪は、第32節・ギラヴァンツ北九州戦と第33節・徳島ヴォルティス戦のアウェイ連戦に挟まれた日程で、天皇杯3回戦を迎える。相手はJ1のサガン鳥栖だ。

 セレッソにとって、2014年のリーグ最終節・大宮アルディージャ戦以来となるJ1クラブとの対戦に向けて、「J1昇格を目指している自分たちにとって、来季は毎試合こういう相手と対戦するわけだし、負けたくない」(キム ジンヒョン)と選手たちの士気は自然と高まっている。懸念は日程面だ。この試合が終われば、中2日でアウェイでの徳島戦が待っている。徳島も天皇杯を勝ち上がっているため条件的には一緒だが、セレッソとしては、J1自動昇格を目指す上でこの試合を万全で迎えたい思いはある。ただし、「アジアにつながる重要な大会」と天皇杯を位置付ける大熊清監督に、必要以上のターンオーバーの概念はない。1、2回戦と同様、リーグ戦とのメンバーの入れ替えは最小限に留め、「チーム一丸」(大熊監督)で3回戦突破を目指す。

 鳥栖に勝ちたい理由は、「アジアにつながる大会で1つでも上を目指す」(大熊監督)、「J1に勝つことができたら、チームに勢いも付く。勝ってリーグ戦につなげたい」(澤上竜二)ことのほかに、“純粋にベストアメニティスタジアムで勝ちたい”という欲求もある。「僕がセレッソに来てから、あそこで勝ってないと思う。特に(J2)優勝を逃した2009年の最終節は忘れられない」とキム ジンヒョンが話すように、セレッソにとってベアスタは、勝利の凱歌より敗北の苦い味を噛みしめたことのほうが多い、“試練”を与えてくれるスタジアム。「ベアスタで勝つ、ということもモチベーションに変えて、今回の試合に挑みたい」(キム ジンヒョン)。今季のリーグ戦では滅法強いアウェイで、過去の記憶を塗り替える“ベアスタ撃破”を目指す。

 現在、公式戦5連勝中のセレッソ。「リーグ戦もいい流れで来ているので、この試合でもそれを続けていけるようにしたい」とは椋原健太。現在、J1の2ndステージで優勝も狙える7位に付けている鳥栖が強豪であることは間違いない。「やることが徹底していて、ディテールを大切にされる監督」(椋原)であるマッシモ フィッカデンティ監督が鳥栖に植え付けている“リアリズム”は、セレッソにとって厄介極まりないモノになるだろう。それでも、「自分たちも相手を上回れる力があると思うので、自信を持って戦いたい」という山下達也の言葉はチームの総意だ。“ジャイアントキリング”を成し遂げるべく、この一戦に挑む。

文・小田尚史