11月27日(日)2016 J1昇格プレーオフ準決勝
セレッソ大阪 - 京都サンガF.C. (15:30KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 セレッソ大阪にとっては今季4度目となる京都サンガF.C.との関西ダービーが、J1昇格プレーオフ準決勝の舞台で実現する。会場は桜色に染まるホーム・キンチョウスタジアム。過去3度の対戦成績は、リーグ戦ではセレッソの1分1敗と勝てなかったが、天皇杯ではセレッソが延長の末に京都を下して勝ち上がり、今季の戦績は1勝1分1敗の五分。J1復帰に向けて、極めて重要な試合で、決着をつけるときがやってきた。

 今季の対戦を簡単に振り返ってみると、J2第10節 ホームゲームでは、前後半早々のコーナーキックから失点。内容は決して悲観すべきものではなかったが、最後まで決め手を欠き、0-2と敗北。J2第26節 アウェイゲームでは、初めてフォーメーションを3バックにして臨んだなか、0-0で迎えた後半の4分間でCKやカウンターなどから立て続けに3失点。気持ちが切れそうにもなったが、それでもそこから猛反撃を繰り出したセレッソは、山下達也のゴール、杉本健勇の2得点で、土壇場に試合を振り出しに戻し、3-3のドロー。勝点1をもぎとった。
 そして天皇杯2回戦、キンチョウスタジアムでの試合は、京都に隙を突かれて先手を取られるも、セレッソは杉本の同点弾で追い付き、後半には京都に退場者が出たこともあって数的優位に。守備を固める京都をなかなか崩せなかったが、延長後半早々のソウザの勝ち越し弾で、2-1と勝利を収めている。

 その3試合に共通することは、いずれも京都に先手を取られていること。計6失点のうち、半分の3失点はコーナーキックから奪われている。だからこそ、セットプレーの守備は間違いなくキーポイントの1つ。そこを含めて、セレッソとしては先に失点するという同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。今回のJ1昇格プレーオフ準決勝の大会規定により、レギュラーシーズンで順位が上のセレッソ(4位)は、5位の京都に対しては同点でも勝ち上がれるだけに、逆に先手を取れば俄然有利となる。「先制点というのは、この試合ではすごく大きいと思う。相手に先手を取られないように、後ろ(守備)がしっかりと我慢することが大事」とディフェンスリーダーの山下も言うように、試合の立ち上がりから、チーム一体となって集中した戦いが求められる。

 シーズン終盤に来て、チームは3連勝。しかもホームゲームでは2試合連続完封勝利中。着実に勢いに乗りつつある。そして、決して守りに行っての3連勝ではないことも、忘れてはいけない。ここに来て、キャプテンの柿谷曜一朗を中心に、リズミカルな攻撃も多く見られるようになった。そのいい攻撃の流れが、守備にもいい影響を及ぼしている。それは、京都との過去3戦の前にはあまり見られなかった流れ。だからこそ、今、京都に対して、セレッソの底力を見せつけたい。

「京都戦に向けて、今週は緊張感を持って(調整を)やれていた」とキム ジンヒョンも述べるように、この大事な一戦に向けて充実したトレーニングも行った。試合前日の練習では、サポーターがヤンマー桜グラウンドのピッチを取り囲むように激励の横断幕を張り 、桜色の戦士たちを後押し。勝利に向けて、臨戦態勢は整った。
「サポーターには、シーズンのはじめからいつも本当にいいサポートをしてもらっている。今回も彼らのサポートは間違いなく必要なもの。我々のサポーターは、自分たちにとっての大きな力。その後押しを自分たちのさらなる力に変えて勝利したい」と言うのは、天皇杯の京都戦で決勝点を決めたソウザ。チームは、セレッソに関わるすべての人の想いを力に、この一戦での勝利に懸ける。絶対に勝ち上がる。J1復帰のために、宿敵・京都を必ず乗り越えてみせる!

文・前田敏勝