3月11日(土)2017明治安田生命J1リーグ第3節
北海道コンサドーレ札幌 - セレッソ大阪 (15:00KICK OFF/札幌ド)
試合写真・コメントなど チケット
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 前節、セレッソ大阪は浦和レッズに1-3で敗れた。「完成度の違いを感じた」と山口蛍が振り返ったように、スコアだけではなく、内容においても両チームに差はあり、優勝候補の力をまざまざと見せ付けられた。今週の練習を始めるにあたり、尹晶煥監督は、「前節を終えて、まず『今のままだと、どのチームにも勝てないよ』ということを選手たちには伝えた。『今まで持っていた意識を捨てて、もっと強い意識を持たないといけない』と話した」ことを明かした(前日コメント )。

 キャプテンの柿谷曜一朗も「前節みたいな試合はもうしたくない」と語気を強める。もっとも、浦和はここ数年、J1で常に優勝争いをしてきたリーグ屈指の強豪クラブ。試合後、「J1で優勝争いするチームの強さを身を持って知った。高い授業料を払ったと思って、次につなげていくことが大事」と関口訓充が話したように、前節の内容を糧にして危機感を強め、今後の力に変えていくことができれば、前節の大敗も“価値ある敗戦”になり得る。

 今節、北海道コンサドーレ札幌のホームに乗り込んで今季初勝利を目指すチームに朗報もある。セビージャFCからセレッソへ電撃復帰した清武弘嗣が今週からチームの練習に完全合流し、今節での復帰が濃厚となった。「休ませてもらった分、順調に回復してきた。(大敗した前節から)みんな気持ちは切り替えている。今からでも全然遅くない。次が3節目で相手は札幌。昇格したチーム同士、負けられないし、勝ちにこだわってプレーしたい」と語る彼が、どのようなプレーでチームを引っ張るか。自然と期待は高まる。
 前節は攻撃力の高い浦和を相手に守備から試合に入ったセレッソだが、昨季のJ2での札幌との2試合を踏まえると、今節はボールを保持する時間が長くなることも予想される。堅守から勝機を見出してくる相手をどう打開していくか。「守備で手を抜いてはいけないが、次の試合ではもう少し攻撃的に出てきたい」と話す指揮官の采配にも注目したい。

 守備では、「今までやってきたことを継続していくことが大事」と山口も話すように、前節の3失点を過度に悲観することなく、続けていくことが重要だ。そのなかで修正すべき部分としては、前節、もの足りなかった前線からのプレスの強度を上げること。そして、攻守の切り替えについては、1試合を通じて常に意識していきたい。攻撃から守備に切り替わる場面では、相手もカウンターを狙っているだけに、より集中が必要か。昨季、札幌ドームで行われた対戦 では、0-0で推移した82分に自分たちのミスからカウンターを許し、決勝点を与えている。その二の舞だけは避けたい。

昨季はJ2でしのぎを削った両チーム。札幌はJ2優勝、セレッソはJ1昇格プレーオフ優勝で昇格を果たした。迎えた今季は開幕から2試合を終えて、どちらもまだ勝利がなく、今節はともに是が非でも勝点3が欲しいという一戦になる。ホームの大声援を背に向かってくる相手に対し、セレッソは強い気持ちを持つことも重要だ。J1で戦い続け、さらなる大きなクラブになる。そんな明るい未来へ向けて、セレッソにとって今節は勝利のみが求められる。

文・小田尚史