4月22日(土)2017明治安田生命J1リーグ第8節
ヴァンフォーレ甲府 - セレッソ大阪 (14:00KICK OFF/中銀スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 前節、3年ぶりとなるガンバ大阪との大阪ダービー に臨んだセレッソ大阪は、後半に先制された後、1度は杉本健勇の2得点で逆転に成功するも、90+2分に失点。2-2の悔しいドローに終わった。当然、試合後のミックスゾーンでは選手の誰もが悔しさをにじませていたが、ライバルを相手にホームで見せたセレッソの戦いぶりは何ら悲観する内容ではなく、攻守においてガンバを圧倒していたとさえ言える。

 開幕以降、手堅い守備が勝利の原動力となっていた今季のセレッソだが、前々節の鹿島アントラーズ戦 、そして前節のガンバ戦では流れの中から前線の選手に得点が生まれており、攻撃の質も上がってきたことは今後へ向けた明るい材料だ。
 ガンバ戦で杉本の2点目をアシストし、守備でも何度もボールを奪うなど獅子奮迅の活躍を見せたソウザも、「前節は相手より自分たちのほうが良かったと思う。相手よりチャンスも作れたし、ゴールに近いプレーも多かった。残念ながら最後に追いつかれてしまったが、全体を見ると、自分たちのほうがいいサッカーをしていた。チームはいい方向に進んでいる」と、明るい表情で現在のチームへの手応えを語る。

 同じくガンバ戦では途中出場で逆転への機運を高めた清武弘嗣も、「セレッソは選手全員がいいプレーをしていたし、いい戦いをしていた。(2失点目が)最後のワンプレーだったので気持ち的に残念な部分もあるけど、すぐに試合は来る。ああいういい試合をした中で、次のヴァンフォーレ甲府戦が大事だということは、チーム全体がわかっている。本当に次が大事になると思います」と今節の持つ重要性を話した。

 甲府とは、今月12日にJリーグYBCルヴァンカップのグループステージ第2節 で対戦している。もっとも、この試合から互いにメンバーは大きく替わる見込みだが、「(甲府に対しては)浦和レッズでも(ゴールをこじ開けるのに)苦労していた。難しい試合になるとは思う」と関口訓充も話すように、堅い守備という相手の特長は変わらないだろう。「相手に守られた時に、僕らがどう破るかが1つの観点になると思います」と尹晶煥監督も試合を見据える。セレッソがボールを握り、甲府が堅守速攻で対峙する構図になれば、セレッソとしては、ここ数試合、向上してきた攻撃力が試されることになる。 

 その一方で、「甲府は監督が(吉田)達磨さんになってポゼッションのところもあるので、パスの出どころをしっかり抑えないといけない」と水沼宏太が相手を分析するように、ルヴァンカップの試合では、自陣のゴール前で細かくつながれた中で甲府にチャンスも与えている。より隙を見せない守備も、勝つためには必要だ。
 もっとも、前節は公式戦で実に6試合ぶりの失点を喫してしまったが、守備の安定感が損なわれたわけではない。「今までやってきたことを次の試合で発揮すれば問題ない。チームのやり方を変える必要はない」と守備の要・マテイ ヨニッチも話す。ポジショニングやこぼれ球への反応など、前節からの修正点は明確だ。 

 ここから、チームはルヴァンカップも含めた7連戦に突入する。「明日は7連戦の1試合目。最初のボタンをうまく付けるかどうかで、これからもっと上に行けるかどうか、という試合になる」とは尹晶煥監督。現在の良好な雰囲気を継続させ、さらに上を目指すために、必勝を期して、セレッソは今節のアウェイ・甲府戦に挑む。

文・小田尚史