4月30日(日)2017明治安田生命J1リーグ第9節
セレッソ大阪 - 川崎フロンターレ (19:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 現在、J1リーグ戦では2試合連続引き分け中。JリーグYBCルヴァンカップでのアウェイ2試合を加えると、公式戦4試合で引き分けが続いている、セレッソ大阪。今季、まだ1敗しかしておらず、J1第3節、3月11日のコンサドーレ札幌戦以来、公式戦での負けなしを9に伸ばしていることは、J1に復帰したばかりのチームとして、奮闘していると言えるだろうが、やはり、欲しいのは勝利。4月最後の試合をいい形で終えて、次につなげていくためにも、今回のJ1第9節、川崎フロンターレとのホームゲームは、言うまでもなく、大切なものになる。

 26日に行われたサガン鳥栖とのルヴァンカップ、グループステージ第3節では、4-4とドロー。以前のルヴァンカップ同様、リーグ戦からメンバーを入れ替えて臨んだなか、堅守をベースにしたチーム作りを行ってきていただけに、4失点には悔しさが募るも、リードを許しても果敢に反撃。水沼宏太の2得点、清武弘嗣がフル出場で得点に絡んだこと、そして、田中裕介の値千金の同点弾など、チームとしても明るい材料も多く得ることができた。「今、レギュラーで出ている選手たちも、ルヴァンカップに出ている選手たちも、すごく頑張っていると私は思っています。(最近の試合では)勝ち切れてはいないですが、ただ、負けてはいないので、そこまで雰囲気は悪くはない」と尹晶煥監督もイレブンの奮闘を讃え、前を向いている。

 ただ、リカルド サントスのゴールで先手をとっていた鳥栖戦もそうだが、リーグ戦での引き分けについても、第7節ガンバ大阪戦も、第8節ヴァンフォーレ甲府戦も、一度はリードしながら、追い付かれて、勝利を取り損なっている。「そこは自分たち次第で、(結果を勝利に)変えることはできる。いい教訓になったと考えて、明日(川崎F戦は)同じことをしないようにしたい」と、試合前日に気を引き締めていたのは、2戦連続ゴール中で、古巣対決に闘志を燃やす、杉本健勇。最近の試合でもゴールは奪えているだけに、特にゴールを取ったあとの戦い方が、チームの課題。全体の意思統一を含めて、そこが、この川崎F戦でも、ポイントの1つになるだろう。

 川崎Fについて、「すごくパスがいいチーム。そういうパスワークをどれくらい止められるかが、すごく大事になる。我々がそういう姿を見せることができれば、フロンターレは苦しむことになる」と尹晶煥監督。「ただ、相手がどこであれ、我々がやろうとするプレー、守備から攻撃に切り替えるところまで、うまく展開できれば、いい結果もついてくる」と指揮官も言うように、今季ここまで『ユン・セレッソ』が積み上げてきたサッカーを、この川崎F戦でいかに発揮できるかが、勝利への鍵となるのは当然のこと。最近公式戦3試合では失点も続いているだけに、「組織でしっかり守っていく」(丸橋祐介)、「自分たちでしっかり主導権を握った守備ができるようにしていきたい」(関口訓充)と選手たちも述べるような、タフでハードなディフェンスを、フルタイム通じて示し、中村憲剛や小林悠ら、強力攻撃陣を擁する相手を封じ込めていきたいものだ。

「この引き分けが続いていたことが終わるときの結果によって、『あそこで負けなかったことがよかった』となるかもしれないが、負けてしまうと、この引き分けがあまり意味を持たなくなる。だから、次、必ず勝つということが大事」と、杉本と同じく、古巣対決に挑む田中も言うように、ここまでの引き分けの価値を高めるためにも、必要な勝点3。ゴールデンウィーク唯一のホームゲームにて、絶対に負けは許されない。大観衆集うヤンマースタジアム長居にて、今度こそ勝利の桜を咲かせたい。

文・前田敏勝