5月28日(日)2017明治安田生命J1リーグ第13節
ヴィッセル神戸 - セレッソ大阪 (17:00KICK OFF/ノエスタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 24日に行われたJリーグYBCルヴァンカップ、グループステージ第6節から中3日でヴィッセル神戸との再戦となる今節。試合を前に、セレッソ大阪の尹晶煥監督、選手たちが口を揃えて話したのは、「ルヴァンカップで僕らに負けている分、相手は激しく、リベンジの気持ちで向かってくる」ということ。

 中でも、この試合に向けてのセレッソの立ち位置を明確に話してくれたのは、杉本健勇。「神戸はカップ戦でああいう負け方をして、『リーグ戦では勝つ』という気持ちで挑んでくると思う。でも、僕らもそれに負けているようではダメだし、ルヴァンで勝ったからといって、リーグ戦でもまた勝ちたいので。余裕を持っている暇はないし、チャレンジャーの気持ちで戦いたい。(中3日の再戦だからと言って)僕たちのやることはまったく変わらない」

 その杉本は、現在リーグ戦6得点で、得点ランク2位タイに付けている。今週発表されたW杯アジア最終予選に挑む日本代表の発表会見では、ハリルホジッチ日本代表監督が杉本の名前を挙げ、「伸びている選手」として言及した。それでも、本人は、「選ばれなかった以上、それが結果で今の自分の実力。悔しいので、見返したい。自分がどうやったらそこ(代表)に行けるのかと考えたら、今のままではいけないと改めて思った。どこか自分にある甘さを一切、出さないように、どの試合でも結果を残し続けることが(代表への)一番の近道。かと言って、代表を目指すためだけにやっているわけではないし、しっかりチームで結果を残して、チームが勝てるようにということを一番に考えてやりたい」とキッパリと話した。

 もう一人、今回の日本代表に選出されなかった清武弘嗣も、ここまで主力としてW杯アジア最終予選を戦ってきただけに、悔しい気持ちが誰より強いことは確かだろう。それでも、清武本人は、「(選ばれなかったことは)仕方がない。代表とはそういう(競争のある)場所ですし、常に人が入れ替わる。今回は新しいメンバーも入って、しっかりとイラク戦を戦うと思う。僕も外れた経験はたくさんある。切り替えて、神戸戦に集中して、勝てるようにしたい。こっちはルヴァンカップで勝っているので、相手はすごく気合いが入っていると思うけど、ルヴァンカップの試合を見て、自分たち(リーグ戦に出ているメンバー)も負けられない、という気持ちになっている。代表ウィークまでリーグ戦もあと2試合。勝って終わりたい」と気丈に話し、気持ちを落とす様子を見せることなく今節へ臨む。

 現在、セレッソはリーグ戦12試合を終えて、6勝4分2敗の勝点22、4位という好位置に付けている。「5月はここまで、公式戦で5勝1敗。すごくいい流れに乗っている」と尹晶煥監督も話すように、チームに漲る充実感はホンモノ。それでも、「みんな共通して考えているのは、『うまく行っている時こそもっと集中して、この山場を乗り越えていこう』ということ」(尹晶煥監督)というように、“慢心”の二文字は見当たらない。今節は、セレッソの上に位置するガンバ大阪と浦和レッズのリーグ戦が行われないため、暫定だが、上位との勝点差を詰めるチャンス。ルヴァンカップのリベンジに燃える神戸を返り討ちにし、5月の戦いを締め括る。

文・小田尚史