6月17日(土)2017明治安田生命J1リーグ第15節
セレッソ大阪 - 清水エスパルス (19:00KICK OFF/ヤンマー)
試合写真・コメントなど チケット
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 中断期間を経て、2週間ぶりに開催されるJ1リーグ戦。この第15節でセレッソ大阪は、ともに今季J1昇格を果たした清水エスパルスとのホームゲームに臨む。
 現在リーグ戦4連勝、カップ戦を含めた公式戦では6連勝中、J1リーグ戦暫定2位につけることができた。現時点でリーグ最少失点(11)をマーク、組織的な守備にも成長の跡が見える。
 ただし、まだ前半戦も終えていない段階であり、この試合を皮切りに7月末まで、セレッソは1週間にほぼ2試合のペースで公式戦をこなす過密日程が続く。『ユン・セレッソ』の真価を問われるのはここから。だからこそ、中断明けの一戦は、非常に大事なものになる。

 そこで、セレッソには1つの試練が待っている。この清水戦では、チームの主軸の1人・ソウザが累積警告により出場停止。推進力の高さとポジショニングのよさ、ボール奪取力を武器に、攻守に大車輪の働きを見せる桜の6番の不在は大きな痛手だ。それでも、チームはルヴァンカップで様々な選手を登用するなど、ここまでの公式戦をチームの総力で戦い、結果を出してきた。
「誰が出ても同じようにプレーできるというのは、ルヴァンカップでも証明できている」と水沼宏太が胸を張れば、「ソウザに代わって、また違う選手が入ることになるが、そこは能力のある選手が入ってくれると思うし、助け合いながらチームに貢献できるようにしていきたい」と山村和也もコメントするように、桜色の戦士たちにはまだまだ精鋭が揃う。チームとしての総合力を含めて、その力をいま、示すときだ。

 清水との対戦といえば、忘れることができないのは昨シーズンのJ2第34節 。J1自動昇格への挑戦権を懸けた直接対決で、セレッソは酒本憲幸のゴールで先行しながら、終了間際に中央を崩されて2失点を喫しまさかの逆転負け。一方の清水はここから9連勝と波に乗り、J1自動昇格まで勝ち取った。当時はキム ジンヒョン、松田陸が負傷交代を余儀なくされるなどイレギュラーな事態に見舞われたとはいえ、ホーム・ヤンマースタジアム長居で挑んだ一戦だっただけに、敗戦のショックが大きかったことは言うまでもない。
「場所も同じ長居。でも今は、昨季のウチとは違う。みんなもそのことは少しは頭のなかにあると思う」と言うのは、当時ピッチに立っていた1人。藤本康太。「昨季、清水はあれからJ1昇格に向けていい流れを作ったと思いますが、今回は僕たちがしっかりと試合に勝って、逆に流れを作れるようにしていきたい」と山村も意気込みを述べる。「長居でやられているので、今年は長居でしっかり勝てるようにできればと思う」と言うのは山下達也。「本当に清水には絶対に勝ちたい」(松田)。桜色の戦士たちは、歴史を築き上げてきた聖地で、リベンジを誓っている。

 そして、「いい流れで練習もできましたし、早くみんなで試合をやりたいという気持ちも強いので、それをピッチ上で出したい」と水沼も言うように、この中断期間中のトレーニングも、練習試合 を含めて、イレブンは精力的にこなしてきた。
「清水戦に向けての準備はよくできていると思います。心の準備もうまくできている」と尹晶煥監督。今季無敗のホームで勝利を重ねるべく、チームは今、ひとつになっている。「とにかく相手よりも自分たちのサッカー、自分たちがやるべきことをしっかりやる。どの試合も同じですが、そこを意識してやっていきたい」(水沼)。『ユン・セレッソ』が着実に積み上げてきたサッカーで、清水に対して、昨季からの成長・躍進を見せつける。桜色の大サポーターの大きな後押しも力に、目指すは勝点3のみだ。

文・前田敏勝