7月12日(水)第97回天皇杯3回戦
アルビレックス新潟 - セレッソ大阪 (19:00KICK OFF/デンカS)
試合写真・コメントなど チケット
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 J1リーグ後半戦のスタートとなった第18節。柏レイソル相手に2-1と逆転勝利を収めたセレッソ大阪は、晴れて『暫定』が取れ、12年ぶりのリーグ首位に立った。そんな快進撃を続けるリーグ、そして、ベスト8進出へ王手をかけているJリーグYBCルヴァンカップとともに、今季のセレッソがタイトルを目指して挑むもう1つの戦いが、天皇杯だ。伝統あるこの大会に2回戦から登場したセレッソは、新潟県代表の新潟医療福祉大学に2-0で勝利し、トーナメントの勝ち上がりに成功した。

 迎える3回戦の相手は、同じJ1のアルビレックス新潟。3回戦、唯一のJ1同士の対決となる。新潟とは、今季すでに2度、戦っている。最初の戦いは、5月に行われたルヴァンカップ グループステージ第5節。2度目は、6月に行われたリーグ戦の第14節だ。いずれもホームで迎えたこの2試合は、1-0、4-0と、どちらも無失点での勝利を収めたが、内容面を振り返ると、苦しんだ印象も残る。ルヴァンカップでの決勝ゴールは、丸橋祐介のロングフィードがGKの手前でワンバウンドして入った、ややラッキーな形であったし、4点差が付いたリーグ戦にしても、先制点となった柿谷曜一朗のPKが決まるまでは、相手の守備を崩し切ることができなかった。

 公式戦12試合負けなしでリーグ戦では首位に立つセレッソと、リーグ戦6連敗中でリーグ最下位に沈む新潟。チーム状態は対照的な両者だが、前述の2試合を踏まえると、今回の一戦も拮抗した展開になる可能性は高い。今回は敵地に乗り込むことを考えても、セレッソとしては、相手の時間帯をしっかりと耐え、粘り強く戦うことが勝利には必要不可欠だ。「前半をしっかりと耐えることができれば、後半は自分たちの流れで試合を進めることができると思う」と尹晶煥監督も試合を見据える。

 タフな激闘となった柏戦から中3日。夏場の連戦であることを考えても、メンバーはある程度の入れ替えも予想される。リーグ戦、カップ戦で培ってきた“チーム力”を天皇杯でも披露できるかもポイント。もっとも、「みんなが試合に行きたがっている、出たがっているので、選手を選ぶのが難しい(笑)」と指揮官も話すように、選手一人ひとりの気力は充実している。「天皇杯も大切な大会なので、みんなが勝利に貢献したいと思っている」と山村和也が話せば、秋山大地は、「試合に出たい気持ちはみんな一緒だと思うので、出る人が責任を持ってプレーすることが大事だし、いい流れを止めないように戦う」ことを誓う。

 リーグ戦とは異なり、天皇杯は「白黒ハッキリつく大会」(田中裕介)。1発勝負のトーナメントには下剋上がつきものでもあり、現在、リーグ最下位に沈む新潟が相手とは言え、油断は禁物だ。「(リーグ戦とは)また違う感覚はあります。より勝ち切ることが求められるし、PK戦でも何でも、上に上がることが大事」と田中が話すように、セレッソとして何より大切なことは、次の4回戦に駒を進めること。J1リーグ戦、ルヴァンカップと同じく、『ユン・セレッソ』がここまでしっかりと積み上げてきた実力を、天皇杯でも発揮する。

文・小田尚史