10月21日(土)2017明治安田生命J1リーグ第30節
セレッソ大阪 - ヴァンフォーレ甲府 (14:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 今季のJ1リーグ戦も残り5試合。現在5位のセレッソ大阪(勝点51)としては、首位の鹿島アントラーズ(勝点64)との差が13となっているため、悲願のリーグタイトル獲得は大変厳しい状況となっている。しかし、1つでも高みに登るためにも、尹晶煥監督も言うように「目の前の1試合1試合をしっかり勝ち続けていくことが大事」であることには変わりない。そこでやってくる第30節では、15位のヴァンフォーレ甲府を、ホームのキンチョウスタジアムに迎え撃つ。

「(リーグ戦で)負けていたときからのルヴァンカップ準決勝だったので、勝ちって自分たちにものすごくいい雰囲気を与えてくるものだなというのを実感している」と水沼宏太。
 ルヴァンカップ準決勝第2戦 、アウェイで宿敵・ガンバ大阪から劇的な白星を勝ち取ったことで、それまでのリーグ戦3連敗という嫌な流れを完全に払拭。そして、前節のJ1第29節・サガン鳥栖戦では、杉本健勇と、13試合ぶりの先発復帰となった清武弘嗣のゴールで、1-2と逆転勝利することができた。「鳥栖戦も本当に激しい戦いでしたが、球際(の激しさ)だったり、『戦う』というところで相手にも負けないくらい行けていたと思う。チームの原点である『戦う』というところにもう1回、自分たちは立ち返ることができた」(水沼)ことで、桜色のチームには再び勢いが生まれつつある。

 このいい流れを継続してこそ、リーグ戦での上位進出、カップ戦でのタイトル獲得につながるというもの。ただ、「甲府はJ1残留争いでの豊富な経験があるチームなので、与しやすい相手と見ることはできない。そして、ここ最近の何試合かを見ると、強烈な2トップを形成できていると思うし、守備ではすごく堅く守る姿を見ることができる」と尹晶煥監督も警戒するように、甲府はドゥドゥとリンスの2トップを軸とした「しっかり守ってきてからのカウンター(攻撃)」(丸橋祐介)を得意とするチーム。最近も川崎フロンターレ(第24節・2-2)に引き分けたり、横浜F・マリノス(第27節・3-2)や柏レイソル(第28節・1-0)から勝利するなど、上位陣から勝点を取っている難敵だ。今回も厳しい試合が待ち受ける。
 
 そういった相手に少しの隙を見せれば命取りになるのは、同じくJ1残留争い中のサンフレッチェ広島(第26節)やベガルタ仙台(第27節)に最近の試合で敗れたことなどからも、セレッソは教訓を得ている。2度と同じ轍を踏まないためにも、大事になるのはソウザらイレブンが口を揃えるように、「変な形でボールを失わないこと。攻めているときのリスク管理をしっかりすること」だ。「僕らは攻撃のときはみんなで攻撃をして、みんなで守るときは守っていく」(水沼)という、鳥栖戦でも見せたチームのベースとなるサッカーをやり抜くこと。それが、勝利への近道になるのは言うまでもない。

 過去の対戦成績で、セレッソは甲府にホームで1度も勝っていない(J1では4敗、J2では5分け)という嫌なデータもあり、加えて、今季の対戦でもルヴァンカップ第2節(アウェイ)で0-0、J1第8節(アウェイ)で1-1といずれも引き分け。人数をかけて守り抜く甲府を、攻め崩すことができなかったセレッソ。
 それでも、過去は過去。そして今季ここまで、『負のジンクス』をことごとく破って、新たな歴史を築いてきている『ユン・セレッソ』。「選手たちはそれ(負のジンクスを晴らす)くらいの努力をしてきたので、晴らすことができてきている」と尹晶煥監督も言うように、難局をはねのけるだけの厳しいトレーニングを積み重ねてきた。
 それゆえに、今回の一戦でも、「ピッチ上で試合に出る人たちが自覚と責任を持って戦うことができれば、絶対に勝てると思います。自信を持って臨みたい」と試合前日に水沼が気合いを込めたように、ホーム甲府戦初勝利へ、桜色の戦士たちはチーム一丸となって、覚悟を持って戦い抜く。セレッソサポーターの魂のこもった熱い応援を力に、キンチョウスタジアムでの約2カ月半ぶりの白星を得るべく、「ホームで、しっかり勝ちにこだわってやりたい」(丸橋祐介)。

文・前田敏勝