10月25日(水)第97回天皇杯準々決勝
セレッソ大阪 - 大宮アルディージャ (19:00KICK OFF/金鳥スタ)
試合写真・コメントなど チケット
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 J1リーグ戦、ルヴァンカップとともに行われている、国内3大タイトルの1つ、天皇杯。この大会に2回戦から登場しているセレッソ大阪は、新潟医療福祉大学、アルビレックス新潟、名古屋グランパスに勝利して、2014シーズン以来となるベスト8に駒を進めてきた。そして、10月25日に行われる準々決勝では、2011年度の第91回大会以来となるベスト4入りをかけて、同じJ1の大宮アルディージャと対戦する。

 10月に入って、これが5試合目。9月はリーグ戦3連敗を喫するなど苦しい時期を送ったが、月が変わり、ルヴァンカップ準決勝 でガンバ大阪に劇的な勝利を成し遂げて、初のファイナル進出を決めると、その後のリーグ戦でもこれまで苦手としていたサガン鳥栖、ヴァンフォーレ甲府に2連勝。しかも、先のJ1第30節・甲府戦では、リーグ戦で16試合ぶりとなる完封勝利も達成。「チームの雰囲気もかなりいい」と秋山大地も言うように、前半戦躍進のときの勢いが戻ってきた。
 そこで迎えるこの1週間、10月最後の2試合では、25日(水)と29日(日)に天皇杯とJ1で、同じ相手・大宮と、同じキンチョウスタジアムにて2連戦。どちらもホームを舞台にするからには、絶対に負けるわけにはいかない。

「ルヴァンカップ同様、みんなで戦ってきて、苦しいゲームばかりだったのですが、ここまで来ることができた。これを勝てばベスト4なので、非常に大きなゲームになると思う。ホームでやれるので、しっかり今の流れを継続していけるように、しっかり勝ちをつかみとりたい」と丹野研太。天皇杯3試合ともゴールマウスを守った、桜をよく知る守護神も言うように、ここまでは決して楽な道のりではなかった。特に3回戦では同じJ1の新潟とのアウェイ戦で、延長戦にもつれこむ死闘を展開。そして、113分の木本恭生の決勝弾で接戦をモノにした。4回戦でも、名古屋とのアウェイ戦で、J2ながらもタレントの揃う相手に押し込まれながら、前半早々の先制点を最後まで守りきることに成功した。リーグ戦、ルヴァンカップとともに、この天皇杯の舞台でも、粘り強さを身につけているのは、桜色の戦士たちの今季の成長の証。それを、今回も示したい。

 特にこのカップ戦は一発勝負で試合が決まるだけに、1点の重みが非常に大きなものとなる。だからこそ、「先制点を取れれば、僕らの形に持ち込めると思いますし、それをしっかり狙っていきたい」と田中裕介。先の甲府戦でも見せた、先手を奪い、試合を通してハードワークをやりきるという戦い方を、ここでも継続することが勝利につながっていくはずだ。

 相手の大宮は、先に対戦した甲府とともに、現在J1残留争いに身を置くチームの1つ。厳しい状況と言えるかもしれないが、最近のリーグ戦ではJ1上位の横浜F・マリノスや柏レイソルに引き分け、地道に勝点を積み上げている。この天皇杯で勝つことで、ベスト4進出だけでなく、リーグ戦へいい流れを持ち込みたい思いも強いだろう。モチベーション高く大阪に乗り込んでくることも想定されるだけに、セレッソとしては隙を見せることは絶対に許されない。 

 それでも、「相手のことよりも、自分たち(がどう戦うか)だと思う。まずは失点しないことを考えながら、チャンスは来ると思うので、そのチャンスをしっかり決めきれるようにしたい」と言うのは、4回戦の名古屋戦で決勝点を決めた福満隆貴。
 クラブ最古参でもある酒本憲幸は言う。「チーム全体の力が試される試合になる」と。「だから、リーグ戦の順位はもう関係なく、自分たちがこうやって戦ってきたというのを出せれば、勝てるチャンスは増えると思う。そこに集中したい」。

 2018年元日、決勝への道を切り開くべく、自分たちでつかんだ勢いと自信を胸に、心強いセレッソサポーターとともに、今こそクラブ一丸となって総力で勝利をつかみにいく。

文・前田敏勝